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ラファエル氏紹介の水耕栽培投資は詐欺?AgrasJapanアグラスジャパンのIGOが危険な理由

※本記事の情報を元に同社、及び同事業、"IGO"に関する報道等を行う場合は、必ず情報源が当記事であることをご明記の上、適切な引用・参考情報の記述をお願いいたします。また、本記事に関するお問い合わせは当方のツイッターアカウント宛のDMにて受け付けます。加えて、報道等に用いるために資料などが欲しい場合もできる限り協力しますので、同じくDMにてご連絡ください。

ツイッターアカウント:DJ鹿ちゃん(16) (@paraeconomica) | Twitter

 

 

はじめに

この記事では、YouTuberとして活動している株式会社Kiii運営の事務所に所属するラファエル氏が、「成上りたきゃ見ろ!利回り80%超え⁉世界一儲かる投資の現場に潜入」というタイトルで取り上げた水耕栽培投資を行う事業者である「アグラスジャパン」という会社と、同社の水耕栽培事業について知っている情報を共有します。

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また、本件についてはツイッターでの言及にて私がAgrasJapan(以下、同社という)に700万円を出資してその件で金銭トラブルが生じているかのように取れる可能性があるものがございますが、私は同社の水耕栽培事業に出資はしておらず、その件は「同事業の関係者(同社の人間か定かではない。以下A氏という)」との金銭のやり取りに関する話ですので、その点はご留意ください。

 

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こちらはツイキャスYouTubeなどで活動されているみずにゃんさんに、私が知っているアグラスジャパンの情報を説明させていただいた時の動画です。話をまとめきれておらずお聞き苦しい点もございますが、こちらもご覧いただけますと幸いです。

 

 

 

アグラスジャパンによる投資事業に関する懸念

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私が同事業に関して言及するにあたり、私の知人がA氏に本件とはまた別件で多額のお金を預けている(私の700万円とはまた別件)ものの、1ヶ月以上連絡が取れていないという状況が発生しておりました。私がA氏と連絡が取れていたときに、知人はA氏と連絡が取れていなかったということが後に判明したという形です。A氏が知人の連絡を意図的に無視し、金銭トラブルを解決させる意思も見せていなかった点に私は憤りを覚え、この記事の執筆に至りました。

 

ラファエル氏が同社のPR動画をYoutubeにてアップロードした際の「破格の利回り」という部分を見た際に、今後出資した方についても金銭トラブルに巻き込まれる可能性が高く、本件については情報の拡散を行う公益性もあると判断し、ツイッター及び当記事において知り得る情報を適宜共有致します。

ツイッターアカウント:DJ鹿ちゃん(16) (@paraeconomica) | Twitter

 

Agras Japan(アグラスジャパン)の会社・事業に関する概要

・運営会社:Agras Japan株式会社(アグラスジャパン)
・事業責任者:須田 公平
・事業内容:完全閉鎖人工光型水耕栽培システムの企画、管理
・事業規模:330平米〜(100坪〜)、多段式(4〜12段)
・主力栽培:甘草、麻、高麗人参、レタス、トマト等
・収穫量:1日当り1866株(約280Kg)※12段式䛾場合
・従事者:指導員2名 新規雇用10名 計12名
・事業場所:沖縄県、米国(CA)、マレーシア(KL)、フィリピン(セブ)、カナダ
・販売エリア:日本国内、米国、東南アジア

 

こちらは同社の営業用資料に記載されていた内容ですが、現時点ではAgras Japanは日本国内において法人登記を完了していません。ただし、同社が所有するLINE@のアカウントでもその旨は説明されています

 

アグラスジャパンの営業用資料

アグラスジャパンの水耕栽培投資事業に関しては広く検証されて然るべきだという判断で、私が関係者から貰っていた資料を公開します。Confidentialの印字がありますが、私は同社とNDAなどは締結しておらず、そもそもこの資料は一般向けに公開する予定の営業資料で機密情報やアグラスジャパンの言う「特許の核」となるような部分についての記述はありません。同社は今後投資を検討している人に開示をするとアナウンスしている点も踏まえると、公開しても問題無いという判断です。(2018年12月6日)

水耕栽培資料 .pdf - Google ドライブ

 

一般社団法人植物系発電推進機構(BPGO)について

アグラスジャパンの水耕栽培事業に関する資料は、一般社団法人植物系発電推進機構(BPGO)という法人が公開している資料を元に作成されています。BPGOのシステムの概要について説明されているページへのリンクを貼りますので、上記のアグラスジャパンの資料と照らし合わせて見てください。

 

bpgo.boy.jp

 

このBPGOという法人についても、少し気がかりな部分があります。

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こちらはBPGOのホームページの法人概要のページなのですが、「代表理事 澤田佳宏」という代表者の氏名の部分が画像で掲載されているのです。これは氏名による検索を逃れる目的で使用されることが多々あるものであり、その理由は様々ですが、真っ当な事業者であれば代表者が氏名で検索されることを恐れる必要性はまず思い当たりません。

 

なお、BPGOの現在の代表理事は澤田氏ではなく、Agras Japanの代表者とされる須田公平氏であることを登記簿にて確認しております(澤田佳宏氏は理事)。

 

特許技術について

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J-PlatPatより

 

ラファエル氏の動画で「特許を取っている」と紹介されていた水耕栽培の手法と思われる特許技術(水流で根を揺らす、CO2を根に吹きかける)は、アグラスジャパンやBPGOではなく「アグリジャパン」という法人名義で出願されていたものが見つかりました。アグラスジャパンの営業資料にも、本事業ではアグリジャパンのシステム(AJシステム)を用いるという記述があるため、間違い無いでしょう。

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ただしこの技術は、最終的に未審査請求によるみなし取り下げの処置になっていました。なお、特許技術の詳細については、アグラスジャパンも近日中に公表するというアナウンスをしているようです。

 

 

また、アグラスジャパンが導入すると思われる水耕栽培の設備を使って農作物の栽培を既に行なっている企業もあるようです。その企業は上記の特許出願技術の発案者が役員となっている企業で、最近クラウドファンディング形式で出資を募って水耕栽培事業をスタートさせたようなので、その状況なども調査して改めてまとめようと思っております。

 

 

 

"IGO"=Initial Guarantee Offeringについて

今後AgrasJapan及び同社関係者は、香港のFildiex Co., Ltd.という法人名義(登記の状況は不明ですが、WEBサイトのドメインは10月に取得したばかり)で「IGO」という名称を用いて仮想通貨(トークン)の発行・供与と引き換えに資金集めを行う予定であることを把握しております。IGOとは、関係者によるとInitial Guarantee Offeringの略称であり、「発行したトークンの買取を同社が買い取ることを『保証』する」ため、ICOInitial Coin Offering)ではなくIGOという名称を用いるとのことです。

 

以下、発行されるトークンに関する資料に記載されていた情報です。

プロジェクト名:Agrition
トークンシンボル:AGT
総発行枚数:100億枚
毎月保有枚数に応じて2%のトークンを付与=年利換算24%
1AGT=0.01米ドル
集金通貨JPY、BTC、ETH

11月1日 IGOスタート
アフィリエイト報酬17.5%(「実質20パーセント」とも書かれていましたが、その数字がどこから来るのかはわかりませんでした)
縁故募集 12.31まで(ボーナス20%)

プレセール
1st phase 1.1~2.16(ボーナス15%)
2nd phase 2.17~3.31 (ボーナス13%)
クラウドセール 4.1~5.31
Dealing*1準備 6.1~7.31
Dealing開始 8.1

 

その他、

水耕栽培施設を1つ作るのに約3億円の資金が必要

・同IGOにて調達された資金は、アメリカにおいて医療用大麻の栽培施設の設営にも充てることで、同事業の収益性を高める

・発行されたトークンは規定のロックアップ期間が設けられており、段階的にロックアップが解除される(プレセール、クラウドセールで購入した全てのトークンをすぐに全て売ることはできない

トークンは1.2円で買取スタート。その後段階的に買取金額が上がる

といった内容を把握しております。

 

なお、トークンの仕様はイーサリアム(ETH)ベースのERC20トークンを発行すると言っていた記憶がありますが、2018年12月5日の段階ではAgritionおよびAGTというERC20トークンはまだ発行されていません。

 

 

 

高麗人参水耕栽培に関する疑問

ラファエル氏の動画では、水耕栽培の技術者が高麗人参に関して「国内の製薬会社や海外のサプリメントメーカーから、月に20トンのオーダーをもらっている」という説明がありました。高麗人参水耕栽培は難しく、できたとしても露地栽培のものと含有成分が大きく異なるため、製薬会社などに卸すのは難しいのでは無いかという指摘をしている専門家もいるようです。

 

高麗人参水耕栽培に関する参考記事

高麗人参栽培における菌根菌の重要性と水耕栽培の中止 | 高麗人参情報サイト | PANAXGINSENG

 

ラファエル氏の広告動画で紹介されているサポニンだけに着目すれば、それに特化して栽培することなどは可能かもしれないが、現在一般市場に出回っている高麗人参と同じ性質のものを水耕栽培施設の無菌環境で生産するのは難しいというのが今のところの定説のようです。個人的にも、動画では高麗人参を強調していたものの、実際に作られているところが撮影されていなかった点は気になりました。

 

また、そもそも高麗人参オタネニンジンは、現在日本では年間7トンしか生産されておらず、日本での総生産量の約3倍の量を毎月納品するという点についても疑問が呈されています

栽培に数年かかることを考えると一概に比較はできないんですが、国内の高麗人参の年間生産量は約7トン。

 

アグラスジャパンの高麗人参は月20トンのオーダーがあると言っていましたが、国内年間生産量の3倍弱の量を一ヶ月で栽培するなんてちょっと信じられないくらいスゴいですね!

 

https://money-mikeneko.com/raphael-plantfactory/

上記引用させていただいた「うただ☆ひかりさん」のブログは非常にわかりやすくまとめられているので、是非一度ご覧ください。

 

YouTuberラファエル氏が利回り80%超の水耕栽培に投資!?超高利率の世界一稼げる植物工場はファンタジー?

 

ただし、2014年に独立行政法人評価委員会調査研究部会において、通常5年ほどかかる薬効のある高麗人参水耕栽培によって1年で収穫できたという報告も上がっており、この辺りについては実現が不可能というものでも無いようです。

薬用植物のニンジン、いわゆる朝鮮人参とか高麗人参と呼ばれているものですが、通常5年以上の栽培期間が必要です。この中では特に1年で薬用部位の取得、要するに薬になるニンジンが育てられるという水耕栽培法に成功したことがあります。

 

これにより、漢方原料生薬のニンジンの短期間での効率的な栽培が可能になり、特に優れた成果を達成したものと考えております。

 

独立行政法人評価委員会調査研究部会(第67回) 議事録(2014年8月6日)

 

しかしその一方で、水耕栽培で生産された高麗人参日本薬局方では局方生薬として認可されていないという現状もあるとのこと。

平成26年度は市場流通生薬との化学的、生物学的同等性試験を予定しており、その後水耕栽培品の局方生薬としての認可、生産、流通を目指しております。

 

この点も踏まえると、製薬会社やサプリメントメーカーから月に20トンのオーダーを受けているというのはやはり真偽が気になるところです。

 

信用が無いから金融機関ではなく個人からの出資を募る

AgrasJapanはLINE@で金融機関から融資を受けるのではなく、個人から出資を募る理由について以下のように説明しています。

お世話になっております。Agras Japanです。本日は多くのお問い合わせを頂いている件についてご説明致します。『なぜ銀行から融資を受けずに個人から出資を募っているのか?』

 

こちらの内容についてですが水耕栽培事業において融資がおりないためです。赤字になる事業者様が非常に多く、貸主側としてはリスクになります。

 

水耕栽培事業が難しいのは事実ですが、この度弊社が個人の方より出資を募り実際にファームを建設し事業を軌道に乗せれば銀行の方でその点を評価して頂き、今後の融資に繋がるのではないかと考えております。


そうすれば弊社の事業拡大に拍車がかかり、より一層多くの方にメリットを享受して頂けます。

 

また、この投稿をご覧になられた投資会社の関係者の方でご検討頂ける方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。 

 

水耕栽培は赤字になる事業者が多いから、貸主はリスクがある。だから金融機関からの借り入れができず、個人から出資を募る」という説明をしているのですが、ラファエル氏の動画で説明されていた技術や利回り、そして製薬会社やサプリメントメーカーから注文をもらっているというのが本当であれば、いくら水耕栽培自体が採算性の低い事業だとしても、アグラスジャパンとして審査されれば融資は問題なく下りそうなものです。

 

銀行に限らずベンチャーキャピタル、あるいは注文をもらっている製薬会社からの出資を受けるといったやり方もあるはずなのに、この言い訳は少し苦しいものがあるように思えてなりません。

 

AgrasJapanの水耕栽培投資は詐欺なのか

本件に関して、現時点でここに記している以外の情報は、弁護士等と協議の上で随時開示する予定です。現時点で「被害者はいない」という状況ではありますが、事業に対する助成金を配当に充てるかのようなPR動画の内容や、そもそもの「破格の利回り」を実現するだけの説明材料が不十分な状態で、いわゆるインフルエンサーの立場にあるラファエル氏によって多数の人に本投資事業が紹介されている点に関して問題があると判断したため、本記事にて情報を共有しました。

 

同事業の資金調達と配当に関する問題は、「そもそもそんなに儲かるなら銀行でもサラ金でも、もっと金利の安いところで借りればいいのに」という点に帰結し、月に20トンの高麗人参を納品する契約を結んでいるのであれば、これから5月まで約半年をかけて個人投資家からチマチマ小銭を集めるよりも、金融機関からの借り入れを行う方が事業にとってあらゆる面で絶対にプラスなことは明らかです。

 

この件に関しては、国内外で広く拡散され搾取される被害者が生まれている「ポンジスキーム」の可能性が疑われます。「詐欺」と断定できる材料は表面的にはないものの、私と知人が同事業の関係者と金銭トラブルになっていた点を考慮すると、危険性を指摘するのには十分足る材料かと思われます。

 

また、YouTubeでラファエル氏以外にも「絶対に儲かる」「投資家は損をしない」などと謳ってアグラスジャパンのIGOについて紹介している人物が数名いるようです。「絶対に儲かる」は詐欺師の常套句です。アグラスジャパンに限らず十分ご注意ください。

*1:トークンの買取のこと

※このブログでは投資・投機に関係する情報を扱っていますが、それらを推奨するものではありません。投資はリスクを考慮した上で自己判断・自己責任のもと行ってください。