ツイッターで「rich mond berks」と検索してみると、3月23日ごろから発生している出金・ログインのトラブルに関する言及は、日本人以外のものが全くない。英語やスペイン語、ロシア語などのツイートも見かけるものの、トラブルに関して言及しているものが全くなく、勧誘目的のリファラー付きリンクを貼ってあるツイートが出てくるのみだ。
HYIPという高利回りの投資案件がインターネット上で話題を呼んでいる。つい先日出金停止になって飛んだ疑惑のあるRight RiseやD9クラブ、One for All All for One、ビットリージョンなどさまざまな種類があり、日利1%以上の利回りで、なおかつ複利運用も可能といった正に夢のような案件がたくさんあるのだ。
ビットコイン×投資という組み合わせは、やはり投資詐欺の黄金配合である。ブラジル(パナマという説もあるが、公式ホームページを見る限りはブラジルの企業であると伺える)に本社を構えるAir Bit Clubもまた、非常に胡散臭いビットコインの投資案件だ。紹介動画が15分と長いが、延々とビットコインの説明をしたあと、10:30ごろから自社の事業説明が始まる。この仕組みは要するにねずみ講=ポンジスキームである。
Air Bit Clubでは、最初の入金額や紹介者の入金額に応じてランクが決まる。動画内では、自分の下にいる紹介者がアップグレードするたびに(つまり、お金を払い込むたびに)報酬が得られるとしているが、複数のアカウントを作って自分で自分の紹介者を作ることが可能だとされている。それによって自分のサブアカウントで入金すれば「自分の紹介者」がアップグレードしたことになり、ボーナス報酬や自分のメインアカウントのアップグレードにつながると言うのだ。
目先の利率は良く見えても、手数料などが考えられないほどバカ高いということは、こうした投資詐欺ではよくあることだ。いざ出金しようと思うと「手数料が高すぎて結局マイナス」という事態に陥ってしまうのである。Air Bit Clubの場合、最高プランだと年利150%だが、75日ごとに報酬の35%が更新手数料として必要とのこと。
いやいや、高すぎでしょ。やっぱりやめておいた方がいいというのは間違いない。ビットコインの投資は、レートが急上昇している最近では確かに魅力的な案件である。しかし、わざわざブラジルの怪しい会社でそれを運用しようというのもバカげた話。確かに新興国で利子が高いのは当たり前かもしれないが、紹介者制度やボーナス制度の仕組みを冷静に分析すれば、Air Bit Clubも投資詐欺であることは疑いようの無い事実である。