ビットコインの価値・需要を支えているのはHYIP説

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日本でも先日、大手家電量販店のビックカメラがビットコイン決済を導入するなど、純粋な決済手段としてのビットコインのインフラは整いつつあるように思える。

 

しかし、私は(現時点においては)ビットコインが本当に決済手段として評価されているとは思わない。もちろん送金(決済)手数料が低く抑えられる点や、ブロックチェーン技術の安全性などは高く評価できるが、それ以上にここ最近のビットコイン価格の上昇は、投機目的での需要が拡大しているためだと私は考えている。

 

そんな状況の分析を踏まえて、私はここで「ビットコインの価値・需要を支えているのはHYIP」という説を唱えてみることにする。

 

「新興国では自国の通貨が信用出来ないところもあって、国のお金よりビットコインに価値を見出す人もいる。日本も国の借金がたくさんあって~~~」などという記述はよく見られるが、こうした説明も検証を深めれば疑わしいところは多々ある。

 

確かに金融インフラが整っていない新興国においては、ビットコインの決済が国中のどこでも行えるような環境を構える=ビットコインインフラを整える方が、通常の金融インフラを整備するよりも求められる工数は少なくなり、簡単なように見える。

 

しかしながら、ビットコインが純粋な決済通貨として安定的に用いられるためには、電力・インターネットのインフラを整えることがそれ以前に必須であり、個人やお店がパソコンやスマートフォンを持てる生活水準であることも要される。このハードルは決して低くない(ただし、一部中南米の国など、電力やインターネット料金が安い国で注目度が高まっていることも事実である)。

 

ビットコインは、送金を行いたい、受け取りたいという個人だけがいっぱいいても、送受信の取引は成り立たない。ブロックチェーンというトランザクションの性質上、「マイニングを行う者」の存在は不可欠だ。

 

そして、取引が行われるからこそビットコインは「通貨」としての価値を持ち、「保有」をするだけでも価値のある(とされる)金融資産になる。ビットコインの取引を支えている「マイニング」とビットコインの需要は表裏一体で、法定通貨と同様に循環が悪くなれば価値は見い出しにくくなる。

 

さて、ここで昨今のHYIPブームについて見てみよう。HYIPは「投資」と言われるが、ほとんどが「投機」やギャンブルにすら値せず、「投棄」の性質を持つだけの金融商品もどきのものだ。しかし、これらの「ビットコイン投棄案件」が乱立することで、結果的にビットコイン取引がかなり活発になっていることも確かだろう。

 

HYIPにおいては日利・時利など、投資商品としての安定性を欠くような形式で配当が払い出される場合も多いが、実はこの配当形式によってビットコインの取引回数は増大し、マイニング業者も採算が取れるレベルでビットコイン価格が推移する状態が保たれているという見方もできなくはない。

 

また、これらのポンジスキーム参加者が世界的に増加することによってもビットコインの流動性は高まっており、その通貨としての価値はポンジスキームによって底上げされていると言っても過言ではない。これが私が「ビットコインの価値・需要を支えているのはHYIP」という説を唱えた所以だ。

 

定期的に訪れる半減期の問題もあり、ビットコインがその流動性をこれからも保つためには、インフレが前提になる。そして中央銀行が無い以上、世界中のユーザーの総意に基いて価値と取引量を創出していかなければならないという課題も抱えているのだ。

 

「持っているだけでもビットコインの価格は上がる」と言われるが、単純保持で流動しないビットコインが増えれば、生まれたときから「値上がりする運命」が定められたビットコインは超えられない壁にぶつかってしまうことになる。

 

それを防ぐために、通常ではありえないレベルでの高収益を謳ったHYIP・ポンジスキームが乱立しているという陰謀論的な考え方もできなくはないということだ。

 

仮想通貨の価値は法定通貨に支えられている。マイニング業者も決済を導入する企業も、欲しいのはビットコインではなく利益として計上される法定通貨であり、この事実は決して無視できない。

 

支離滅裂で検証不十分な内容をお伝えして申し訳ないが、ビットコインの価値についてみなさんにも考えていただくきっかけになれば幸いだ。

D9クラブのハッキング被害による業務停止について見解を述べます

追記:2019年2月

D9クラブの勧誘などに際して違法な行為があったのかどうか、警察当局も捜査を行なっているそうです。被害に遭われた方は下記リンク参考の上、被害届の提出などを検討してみると良いかと思われます。 

playbaseball.hatenablog.com

 

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D9 Clubが会長直々にビデオレターで「ハッキングされたから改善のためにシステム中止してるで。ビットコインは盗まれたわけじゃないから安心するんやで」と言及したようだ。

 

先日のコンベンションでは、「コンピューターのセキュリティソフトを販売してます」と新規事業について語っていたらしいが、まずは自社サーバーのセキュリティをちゃんとしてほしかったところ。それにしてもHYIP界隈のサーバーってすぐハッキングされるね(ハッキングされたとは言ってない)。

 

まぁこれだけD9信者がいれば、手放したくないという運営側の気持ちも確かにわかる。数週間して支払いを再開すれば信者たちは「ほらちゃんと復活した! 飛んだとか言って批判してたやつらwwwwD9は本物だから!」とツイッター歓喜しながら増資するのだろうが、彼らの脳みそのシワが無さすぎるため、運営の情報もキレイに投影されるのだろう。洗脳とはまさにこのことで。

 

私のような者が煽れば煽るほど信者たちはD9への忠誠心を深めるのだろうが、最後は彼らからもう一絞りしてドロンというのは目に見えている。追加入金した人から優先で払い出しとかあるかもね。

 

D9で儲けたって言ってる人は、ちゃんと確定申告してくださいね。おわり。

 

 

関連エントリー

SportArb(スポートアーブ)の出金・着金状況が怪しくなってきたお話

「sportarb」の画像検索結果

 

ビットクラブとスポートアーブはもう少し早めに取り上げる予定だったのだが、なんとなく雲行きが怪しくなった今更ながら状況の考察でも。

 

SportArbのローンチは確か1月末付近で、現在生き残ってるHYIPの中では割りと古い。「そろそろ飛ぶのでは」という憶測が1ヶ月ほど前からあるのだが、そこまで大きなトラブルもなく回っていた。

 

しかし、ちょっとずつ破綻というか、最後の一絞りの兆しが見えたのが、今月上旬。SportArbのメルマガで、「日本とヨーロッパで大きなチームと契約したため、数週間以内に5000人以上の新規参加者がいるよ」という情報が配信されたときだ。D9のカンファレンスにしろ、こういう大々的な宣伝・告知とかキャンペーンって、いつもブレーキランプ5回点滅ト・ビ・マ・ス・ヨのサイン的なところ、あるよね*1。いやむしろアクセル思いっきり踏んでぶっ飛んでく感じか。

 

そのアナウンスから数週間が経過した現在時点で、ちょこちょこトラブルが出てきているようで。

 

 

 

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なんとも良いわめきっぷりだが、本人にとっては一大事。恐らく大口の入金をしていたのだろうと予測する。

 

割りと順調に回っている(ように見える)HYIPも、大口入金者1人だけバッサリ切り捨てるというのはありえる。リッチモンドバークスのやり方はひどいものがあったが、HYIPの行く末は破綻で、本質はポンジスキーム内でのマネーゲームなわけだから、そういう結果に至るのは致し方ない。まぁ、「詐欺師にお金を渡したのに75%もお金が返ってきた」と思えばすごく幸せな話だが。ヤンキーが子猫拾ってた的なアレ。

 

いかにも飛びそうにも思えるが、個人的には、SportArb自体はもう少し粘るのではと考えている。というのも、6月ぐらいまで運営したほうがジャパンマネーを搾り取れるから、今飛ぶのは少しもったいないと考えているのではないかという理由だ。

 

HYIP×大口×複利運用というのは、最初から救えない特殊な例で、他にはあまり着金遅延情報は無い。運営が最終ブースト段階に入ってるのも確かだろうが、ワンモアブーストチャンスの日本のボーナス時期までやる可能性は割りと高いのではないだろうか。5月にキャンペーンとか発表しだしたら、それはほぼ確実にスチールのサインだろう。

 

 

(追記)

なんか色々見てたらSportArbに600BTC入れた人がいるとかいないとか。正気の沙汰とは思えない。まともな投資紹介するからみんな私にビットコイン投げたほうがよっぽど良いと思うよ、うん。

(追記以上)

 

 

SportArbのプランなどの詳細はごうちさんのブログへどうぞ。

SportArb(スポートアーブ)について - サビアンでキャッシュバックの毎日♪

*1:筆者は決してドリカム世代ではありません。好きだけど。

【返金決定】BitMonster(ビットモンスター)は要注意案件です。

2017年7月8日追記

ビットモンスターの運営ビッテラー社が、返金を実施するそうです。詳細は下記リンクのサイトでビットモンスターからのメールを元に解説されています。

http://twitelclub.whdnews.com/p/1707/qP9WwJP91.html

 

元々運営は日本人だという話は聞いておりましたが、ごうちさんも英語のクセが日本人っぽいという指摘をしており、ノアコインと同じくD9の件でビビったんじゃないですかね。知らんけど。

 

可愛らしい犬がイメージキャラクターのBitMonster(ビットモンスター)だが、結構力を入れて作り込まれている案件で、次々と飛んだHYIPの後釜として選ばれるだろう状況なので、ここで注意喚起を。

 

しきりに「固い案件だ」と紹介している者もいるが、HYIPの固さなんて正直ゼロだし、むしろこういう案件にこそ注意を払わなければならない。特に、ジャパンマネーが動きやすい時期に大型キャンペーンが予定されているという情報が関係者に近いところから上がってきており、トンズラのXデーは6月初旬~中旬ごろだというのが私の見立てだ。

 

信じるか信じないかはあなた次第。逃げ切れるといいね。

 

ビットモンスターについての詳細はごうちさんのところへどうぞ。

saiviancashback.net

D9クラブは飛んだ?ログインできない・着金遅延の状況について

追記:2019年2月

D9クラブの勧誘などに際して違法な行為があったのかどうか、警察当局も捜査を行なっているそうです。被害に遭われた方は下記リンク参考の上、被害届の提出などを検討してみると良いかと思われます。 

playbaseball.hatenablog.com

 

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(2017年)4月18日現在の情報ですが、数日前からD9クラブにログインできない、着金が遅延するなどのトラブルが続出しているようです。いくら運営が「復旧中」とアナウンスを行っても、このようなトラブルが出ると情報が瞬く間に拡散され、新規投資家の参入は期待できない状況になります。

 

破綻した(飛んだ)かどうかは不明確ですが、D9クラブがほぼ終焉を迎えたという事実は変わりません。新たなカモが参加しなければ、ポンジスキームは破綻する以外の道はないのです。

 

4月16日に、D9クラブは東京で大規模なコンベンションを開催したが、これは最後の一絞りのためのプロモーションだったとも考えられます。

 

 

これによって、また新たなHYIP犠牲者が生まれてしまいました。いや、HYIPは紹介者を出せなければ投資した瞬間から負けに向かっていることは確実なポンジスキームですので、彼らは投資した時点でお亡くなりになっていたとも言えます。結局「D9で儲けた」と言っているのは紹介者を出せる一部だけ。ポンジスキームとはそういうものです。

 

さようならD9クラブ。

 

新しい投資をお探しのみなさんはソーシャルレンディングとかどうでしょう?

 

 

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HYIP参加者のみなさんのお葬式

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/i47VD4D6yCLM/v1/628x-1.jpg

出所:ブルームバーグ

 

間もなくご葬儀の時刻となりますのでご着席願います。なお、携帯電話のスイッチはお切りいただくか、音の出ないマナーモードに設定してくださいますようご協力をお願い致します。

 

導師入堂でございます。皆様、合掌にてお迎えください。

 

合掌、直りください。

 

皆様、本日はご多忙、そしてお足元の悪い中(関西は大雨です)ご臨席いただきまして、誠にありがとうございます。ただいまより、故HYIP参加者の方々の葬儀を合同で執り行います。

 

(遺影)

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これより、弔辞を頂戴致します。Anti-Scam-Blog、KURA様、お願い致します。

 

 

HYIP参加者の方々は、このお二方以外にもたくさん見受けられたのですが、更新がパッタリ止まっている様が特に印象的でしたので、一刻も早い成仏を願い、本日葬儀を執り行うことと致しました。ライトライズ、Zinc7、X-Binary、リッチモンドバークス、ノルデバンクなど、さまざまなHYIP案件が飛び、投資者の方々も次々とツイッターから姿を消していきました。

 

みなさまが帰らぬ人となろうとは、誰が予想できたでしょうか? 私は予想していました。ポンジスキームを見抜けなかったのか、金に目がくらんだのか、理由は色々あると思いますが、本当に残念な限りです。

 

みなさまが失ったビットコインで、詐欺師たちは今まさに豪遊している最中でしょう。悔しい気持ちは私も同じです。みなさまのご遺志は、私が必ずや引き継ぎ、インターネットの世界から投資詐欺が無くなる日が実現するよう精進して参ります。HYIP参加者のみなさま、安らかにお眠りください。

 

 

以下略

HYIP脱落者はどこへ向かうのか

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HYIPはMLM、ネットビジネス系のグループやリストを持っている人にとって扱いやすく、そして儲けやすいため、日本でも数年前から徐々に人気になっていったという側面がある。

 

しかし、割りと「信用できる」と思われていた案件が次々飛んでいったということで、FXやバイナリーオプション、株式や投信を含めて、これからはHYIP以外で資産運用を考える人も増えるだろう(元々HYIPは「資産運用」に値しないものだが)。というかHYIPだけで「資産運用やってます(ドヤ)」という人がいたら、それはそれで怖いという話ではあるが。

 

これは私の主観になるが、HYIPとバイナリーオプションはほぼ完全なマネーゲームで、搾取するかされるかの世界。FXももちろんこの類だが、運営による恣意的な搾取手段がほぼないということで、まだマシと言えるだろうか。

 

HYIP利用者にはFXやバイナリーオプションから流れてきた人も多いが、これはFXやバイナリーオプションの参加者がある程度飽和状態になってきたという背景もあるだろう。

 

リストやグループを持っている人にしてみれば、より「確実」で「簡単」と謳うだけでそこそこの参加者は出てくるもので、飛んだらハイ次良いのありますよと紹介すれば責任は全て運営者になすりつけられる上にさらに銭儲けができるので、為替取引のシグナル・ツール配信よりも都合が良かったのかもしれない。

 

HYIPに関しては「2017年は仮想通貨元年と言われており~」なんていう説明文が並ぶが、法定通貨でも仮想通貨でも、やってることは同じマネーゲームで生産性も一切ない。

 

ひょっとすると、中国で絶賛活動中のビットコインマイニング業者がこうしたHYIP案件を立ち上げて需要を増大させようとしているのかもしれない(笑)。

 

HYIPの運営元は、サイトや仕組みを変えて次々と新しいものを立ち上げているのだろうから、ビットクラブネットワークがマイニングだけで利益を出し続けるのは難しい仕組みでも継続しているという背景には、潰れたポンジから流れてきた金の亡者たちを一挙に集めて最大のポンジスキームを作り上げる目的だったりするかもね。

 

さて、「HYIPは儲からないな」と気づいた一般ピーポーはこれからどこへ向かうのだろうか。FXや株取引に帰っていくのだろうか。それとも仮想通貨ブームに乗って他の通貨に手を出すのか。リップルとか盛り上がってるし。某Nコインあたりはネットビジネス軍団総出でステマ・ステマ・アンド・ステマしてるが、さてどうなるか。

 

パチンコの売上はこの10年で約33億→23億と大幅に減っているのだが、ネット上で他のギャンブルをやる人が増えたということも少なからず影響しているだろう。そうなれば、パチンコに帰っていく人はもう少ないだろうなと予測できるので、もしかしたら893系でパチンコ系ともつながりのある人たちが、IRが出来る前の「しのぎ」でHYIPの運営やっていたりして。そういえば、ビットコインの資金洗浄代行も流行っているらしい。

 

本当に日本はギャンブル大国である。

 

「海外のカジノで大儲けしてるハイローラーです! 某国でカジノホテル経営しています!」という人もいらっしゃったが、この辺もかなりきな臭い……。でもあの人は闇カジノだけかな。

 

最近はかなり攻め込んでるが、このブログやツイッターが無くなったときは察していただきたい。

 

乱文お許しを。

MMMとSergei Mavrodiをテーマにした映画について

ツイッターでMMM Returns信者の方に絡まれたのだが、その方はMMMとMavrodi氏に関して、ある映画をソースとして語っていらっしゃったので、この映画について少し書くことにしよう。

 

マネー・ピラミッド 札束帝国の興亡[DVD]

マネー・ピラミッド 札束帝国の興亡[DVD]

 

 その映画がこちら。邦題は『マネー・ピラミッド 札束帝国の興亡』

著作権の確認が取れないので埋め込みなどはしないが、Youtubeでも「pirammmida」と検索すれば(字幕などはないが)ロシア語と英語版の作品をフルで見ることができる。

 

この作品はSergei自身による自伝Вся правда о "МММ" - история первой пирамиды. Тюремные дневники(「MMM」の真実 - 最初のピラミッドの物語|獄中記)を原作としている作品だが、正直なところ映画に関しては、Mavrodi目線で美化されているところが多々あり、ファンタジー要素が大きい(おそらく監督の意向なのだろうが)。

 

ここで、ロシア人が書いたこの作品のレビューを要約してご紹介しよう。

この映画の本質は自伝である。これは私の個人的な意見だが、もう少しドキュメンタリー要素が必要で、客観的事実に基いて何が起こったのかを全て表現するべきだろう。PiraMMMidaでは、作り手側が汚点的な事実を芸術的な映画として表現しようとしている。銃撃や派手なアクションシーンは見ていて飽きないが、これは誇張表現だ。

https://www.kinopoisk.ru/film/464942/

映画という娯楽である以上、多少のストーリーの改変やファンタジー要素が入ってくることは避けられないが、この映画だけを見て「これがMMMの真実だ!(ドヤ) セルゲイバンザイ!」と言っているような人間がいることは、正直なところ残念だし危険だ。日本人にとっては、大河ドラマのストーリーを鵜呑みにするのと同じくらい危険だとでも言えようか。

 

まぁそもそものところ、MMM ReturnsもMavrodi氏本人が運営しているわけではないのはほぼ明らかなので、実際のところ彼も被害者と言えば被害者なのだが。

MMM Returnsの元となったMMMとはどんな組織なのか

※このエントリーの内容は、Sergei Mavrodi氏とMMM Returnsのつながりに関して言及しているものではありません。

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※随時更新中

MMMの概要

MMMは1990年台に世界史上最大のポンジスキームを構成したロシアの会社である。さまざまな調査データがあるが、MMMによって500~4000万人の参加者が少なくとも10億ドルを失ったと言われている。正確な参加人数や被害額は、出資を行っていた者にもわかっていない。

 

MMMの再興

2011年にMMMは世界110ヶ国に子会社を持つ"MMM Global"として再始動した。MMM Globalは南アフリカ共和国、ナイジェリア、ジンバブエ、ケニヤ、ガーナといった貧困問題や政府・法律による規制の脆弱性を抱えるアフリカ各国で人気を博し、広く普及した。

 

2017年、RCCG(ナイジェリアのキリスト教団体)は、RCCGの牧師の中にMMM Globalが参入する1年以上前からMMMの推進を計画していた者がいると言われていたことから、メンバー全員にMMMへの参加に対して警告を行った。2016年12月にMMMが崩壊したという報道があると、2017年1月までにナイジェリアでは従来からのものに加えてさらに多くのポンジスキームが登場した。

 

新しいポンジスキームはMMMの模倣者で、莫大な金利を謳い文句にMMMナイジェリアを凌ぎ、ナイジェリアのポンジスキーム界隈は加速度的に大きくなっている。2017年3月に、世界全体に広まっていたMMMによる同様のポンジスキームが破綻した。

 

MMMの歴史(随時更新中)

ロシア

MMMの設立と初期の事業

MMMは Sergei Mavrodiとその弟のVyacheslav Mavrodi、そして Olga Melnikovaという3人の人物によって1989年に設立された。MMMという会社名は、この3人の名前の頭文字を取って名付けられた。

 

MMMは最初の頃、コンピューターやオフィス機器の輸入を行っていた。1992年、ロシアの税務警察はMMMの脱税を訴えたことで銀行からの資金調達が困難になった。貿易事業の継続が難しくなったので、MMMは事業を金融部門へと転換した。

 

同社はアメリカの株式をロシアの投資家に紹介したが、全くと言って良いほど成功しなかった。その後、国営企業の民営化に関連して保証人を募る目的でMMM-Investを設立したが、この試みも同様に失敗に終わる。

 

ポンジスキームの発展

 MMMは1994年からポンジスキームを立ち上げ、年間1,000%の収益を謳うことで民間投資家から多額の出資を受けた*1。1994年2月にはテレビでCMを放映するなどの大々的なプロモーションを行った結果、MMMはここから急速な発展を見せる。

 

MMMの株式は非上場で、同社自身が株価を決定していたため、毎年数千パーセントの安定した価格上昇を維持することで、同社の株は安全で収益性の高い投資であると投資家や民衆に信じ込ませていた。

 

▼MMMの株式引換券

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出所:http://www.a-saida.jp/russ/chronology/chronol_deh_obr.htm#kapitalizatsija

 

広告戦略の成功

 MMMによるポンジスキームが多額の出資を集めた重要な要因として「口の巧さ」が挙げられるのだが、Vladimir Permyakov演じる"Lyonya Golubkov"という「平凡な人物」のキャラクターを「みんなの英雄」として印象づけることで、一般市民に向けての広告戦略が成功したという側面も大きい。

 

▼MMMによるCM集

www.youtube.com

さらに特筆すべきマーケティング戦略は、地下鉄の無料チケットをモスクワ市民に配布したというものである。MMMはロシアで有名になった最初の企業の1つであり、会社のロゴや「闇から光へ飛び込もう」というスローガンも広く認知された。

 

部屋単位でお金を数える

ピーク時、MMMは株式の売上から毎日1000億ルーブルを借り入れていた。そのため、モスクワの事務所では売上の紙幣が膨大な量となり、数え切れなくなってしまった。そのとき経営陣は「1部屋分」「2部屋分」などと、お金を部屋単位で数えていたと言われている。

 

株価発表の規制

報道機関によるMMM株価の発表があまりにも過熱したため、1995年6月、時の大統領ボリス・エリツィンは金融機関に対し、期待収益の公表を禁止する通達を行った。

 

MMMに続く高収益の投資が流行

投資家を集めるという点で成功を収めたMMMに習い、高期待利回りを掲げて積極的にテレビコマーシャルを放映する会社が次々と現れた。年間30,000%もの収益を出すと謳っていた会社もあった。

 

脱税による摘発

1994年7月22日、警察は脱税を理由にMMMのオフィスを閉鎖した。同社は数日後に事業のスキームを維持するために活動を継続しようとしたが、すぐに事業を停止した。その時点で、MMMの子会社の1つであるInvest-Consultingは2,600万ドルに及ぶ税金支払の必要性があり、さらに投資家に対しても5,000万~1.5億ドルに及ぶ支払いを抱えていた。この余波で、少なくとも50人の投資家が全財産を失って自殺した。

 

倒産後のMMMとSergeiの議会進出

MMMの被害者団体は、被った損失を取り返すために奮闘していたが、Sergeiは彼らの怒りの矛先を政府に向けるよう仕向けた。1994年8月にSergeiは脱税で逮捕されたが、免責特権を受けるために選挙に出て下院への当選を果たす。

 

選挙の際にSergeiは、MMMではなく政府が彼らの損失を補填する義務があると主張し、返済プログラムを立ち上げることを約束して被害者団体からの支援を受けた。しかしながら、最終的に被害者に支払われたのは損失金額に比べてごくわずかな金額だった。

 

MMMの倒産

1995年10月、議会はSergeiの議員としての免責特権を取り消した。1996年、彼はロシアの大統領選に出馬しようとしたが、署名は拒否され、MMMも1997年に倒産を発表した。

 

Sergeiはその後、姿をくらます。その間、ロシアを離れてアメリカに移り住んだと考えられていたが、元特殊部隊のグループを雇いながら、定期的にアパートを変えてモスクワに滞在していた可能性も指摘されていた。

 

Sergeiの罪

2003年に発見されて逮捕されると、Sergeiには1巻200数十ページに及ぶ詐欺事件の資料が650巻も渡され、その確認のために2006年1月まで勾留されていた。2007年4月の終わりに彼は詐欺の罪で有罪判決を受けたが、既に4年以上に渡って勾留されていたため、有罪判決から1ヶ月足らずで釈放された。

 

MMMによる一連の事件によってロシアの株式市場は規制の強化を余儀なくされたが、人々はMMMによる詐欺事件の教訓を活かし、株式投資には慎重になった。

 

 

参考:MMM (Ponzi scheme company) - Wikipedia

(現段階では基本的に翻訳の内容中心ですが、今後筆者の見解やその他の情報も付け加える予定です。)

*1:当時のロシアは、ハイパーインフレによって輸出入などの事業においてはこのような超高利子の配当を出すことは可能であったかもしれないため、Mavrodiが元からポンジスキームを形成しようとしていたかどうかは不透明な部分がある。

MMM Returnsの創始者と言われるSergei Mavrodi(セルゲイ・マヴローディ)氏について

MMM Returnsというビットコイン投資案件(HYIP)が日本で勧誘活動を盛んに行っているようだが、MMMの創始者Sergei Mavrodi氏の名前が大々的に出てきている投資案件なので、注意喚起のためにもこの人物の来歴を紹介しておこう。

 

MMMのプロモーション動画

しつこいほど登場するこのオッサンこそSergeiMavrodi(セルゲイ・マヴローディ)氏である。

 

SergeiMavrodi(セルゲイ・マヴローディ)とはどんな人物なのか

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本名:Sergey Panteleevich Mavrodi 

1955年8月11日生まれ。ロシアの下院議員も務めた人物であるが、MMMという金融ピラミッドを創設した後に破綻させたことで多くの被害者を生んだ犯罪者でもある。 2007年に彼は、1万人から1億1000万ルーブル(430万ドル)を騙し取ったとして有罪判決を受けた。

 

Mavrodi氏は、自身がMMMにおける寄付の受益者ではないと主張し、 MMMのシステムはビジネスではなく、それに対する法律がない相互扶助プログラムであると主張しているが、後に脱税の罪でも有罪判決を受けた。

 

では、彼が創設したMMMとはどんな金融ピラミッドだったのだろうか。そして積極的にプロモーションが行われているMMM Returnsとはどんな投資案件なのか、その詳細についてはまた追って詳しく解説することにする。

 

ちなみに彼とMMMの名前を利用したねずみ講のようなポンジスキームは世界中に存在しているが、南アフリカやロシアでは公的機関がこれらの組織に注意喚起を促している。日本でもWEBサイトやSNSで参加者を募集している者を見かけるが、ポンジスキームを疑わなければならないことは明らかだ。

 

▼関連記事

playbaseball.hatenablog.com

 

 

▼参考

Sergei Mavrodi - Wikipedia

「МММ-2011」 | ロシアNOW

リッチモンドバークスが再始動?詐欺の黒幕は一体誰なのか

fudomadoがサイトを消して落ち着いたように見えていたリッチモンドバークスであるが、ここにきて復活するかのような兆候を発見した。fudomadoの件についての調査報告はまだできていないのだが、ひとまずこちらで最新の情報を提供させていただく。


リッチモンドバークス公式のアドワーズ広告が出現

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本日リッチモンドバークスのAdWords広告が出稿されているのを確認。広告文に【公式】とあるように、飛び先はfudomadoのサイトではなく(fudomadoはもうサイトを消したが)リッチモンドバークス公式サイトにジャンプする広告だ。

 

このリッチモンドバークスオフィシャル(と思しき)広告がどの言語に向けて出稿されているのか確認してみたところ、日本語と英語のみで、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ポルトガル語、イタリア語、中国語、韓国語など他の言語に向けては出稿されていなかった(英語は元からあったものと同じだと推測される)。

 

アカウントが削除(ロック)された人の共通点

では、ここで一度リッチモンドバークスのアカウントが使えなくなってしまった人の共通点を挙げておこう。

 

① fudomadoがアップについていたユーザー

② ①のユーザーがアップについていたユーザー

③ 大口の入金を行っていたユーザー(具体的な金額の範囲は不明)

 

以上いずれかの条件にマッチするユーザーは概ねアカウントが使えなくなっているのが現状だ。このブログやツイッターを含めてリッチモンドバークスの悪評はかなり拡散されているのだが、AdWords広告を公式自ら出稿し始めたということは、もう一絞りしようという魂胆なのだろうか。あるいは、再開を匂わせて再投資を募るようなパターンもあるかもしれないが、こちらは現実的ではなさそうだ。

 

リッチモンドバークスの仕掛け人は誰なのか

このブログではfudomadoを運営していた人物がリッチモンドバークスの運営者ではないかという疑惑を過去にお伝えしたが、ここに来てfudomadoはスケープゴートとして駆り出された説が浮上している。

 

現在裏付けを進めているところではあるが、日本におけるリッチモンドバークスのプロモーションにfudomadoが深く関わっていたことは事実として、その裏でA、L、そしてOという3人の人物が動いていたのではないかという疑いが持たれている。

 

全ての情報を確実な形でみなさんにお届けできるように準備中だが、それにしても今後リッチモンドバークスに投資をするのはよっぽどの情弱者しかいないだろうに、広告まで打ち込み始めたのは少しきな臭い。SCAM認定を逃れるための悪あがきなのだろうか、あるいは……(続く)

仮想通貨(ビットコイン)に関する金融庁の見解や報道について

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この4月から法改正によってビットコインなどの仮想通貨が、現行の法定通貨と同じく「決済手段」として扱われるようになった。これについてはご存知の人も多いかもしれないが、金融庁がこの法改正に関連して具体的にどんな変化があるのかまとめた資料があるので、こちらでも共有させていただく。

 

▼以下リンクを参照

http://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf

 

この資料の内容について、最近の報道と関連して気になった点があったので共有していこう。

Q.外国の事業者から、仮想通貨の交換について勧誘を受けましたが、取引をしても問題ないでしょうか。

 

A.まずは、金融庁ウェブサイトで登録業者かどうか確認ください。日本で登録を受けていない外国の事業者が、日本国内にお住まいの方に対して、勧誘を行うことは禁止されています。

登録を受けていない事業者から勧誘を受けた場合は、金融庁・財務局までお知らせください。 

 このQ&Aで取り上げられているのはあくまでも仮想通貨の「交換」を行う事業者であり、現在でも多くの人がコインチェック、ビットフライヤーといった既に登録を済ませている業者を利用しているため、そのまま行えば問題は無い。

 

しかし、登録を受けていない事業者が「あとで価格が上がるから」などと勧誘して大金を仮想通貨の購入に充ててしまうといった事件も発生しているようで、情報弱者を食い物にした詐欺師がやはり多いようだが、この件はもしかして「ノアコイン」のことかもしれない。

 

▼参考

 

今朝もNHKのEテレで午前10時頃から仮想通貨取引に関するトラブルなどが取り上げられていた。今のところHYIPのような投資詐欺に関する報道はあまり無いようだが、見せしめでどこかの業者や勧誘を行った者が逮捕されることがあれば、HYIPは一気に衰退するだろう。それはいつになるのやら……。

ノルデバンクも出金停止。HYIPはもうオワコンか?

 

playbaseball.hatenablog.com

 

昨日のエントリーでご紹介したSCARS氏が、ノルデバンクが飛んだことに言及しているが、どうやらこれは44日も保たなかったようだ。

 

▼参考記事

ノルデバンク44日も持たずに? - SU/CAR-ST-APplication-cells

 

 

SCAR氏の言うとおり、ライトライズが飛ぶ前には複利運用で回す人が多かったからそれなりに持続可能なポンジスキームであったものの、ライトライズの破綻とともにユーザー側の行動にも変化があったのだろう。

 

毎日のように配当を引き出してしまう人が増えれば、結果的に残高が不足しがちになるため、運営元も早めに撤収してしまうというのは当然の成り行きだと言える。

 

ライトライズという日本人を含めて世界各国から多数の参加者がいた案件が飛び、Appストアのアプリがリリースされていたリッチモンドバークスが飛び、ライトライズと同様にイギリスで法人登記されている(と思しき)ノルデバンクも飛んだ。

 

このブログではまだ取り上げることができていないSportArbやOneForAllAllForOneなどは残っている状況だが、ユーザー側の動向が変わっている以上、そろそろこれらのHYIPも続々と破綻していくかもしれない。

 

満期が設定されているSportArbなんかはもう少し保つかもしれないが、再投資しない人が増えて飛ぶ確率も高いと推測できる。

 

先日消費者庁と金融庁に電話をして、ビットコインを決済手段とした投資詐欺が乱立している件について報告を行った。具体的な注意喚起などが行われるのかはわからないが、私は詐欺師たちが一日でも早くくたばることを願っている。

 

まぁHYIPが無くなっても、今度は他の投資詐欺が流行るだけなのだろうが。

 

▼関連エントリー

playbaseball.hatenablog.com

HYIPは88日で破綻する?ポンジスキームの持続性と「元本返戻」のワナについて

「先行者利益がある」「勝ち逃げできる」といったフレーズで出資者を勧誘しているHYIPは数多くあるが、HYIPの寿命は極めて短い。いつの間にかシステムトラブルが起こったり、ログインできなくなって元本が回収できないままトンズラ。ここから紹介者はさらに他のHYIP案件を紹介したりするから非常にタチが悪い。

 

さて、そんな投機にも値しないHYIPであるが、資金が枯渇するタイミングについて簡単に計算されているブログ記事があったのでご紹介させていただく。

 

supercar.hatenablog.com

 

同記事において筆者のSUCAR氏は、

 days:単純に経過日数
入金:1日の入金(単位は問題じゃないのでご自由に)とりあえず毎日100とする
入金累積
紹介料 とりあえず10%は紹介料で出ていくとする
配当:とりあえず2%固定
出金:紹介料+配当 複利で回さず全員単利で即日出金するとする
累積出金
残高:累積入金ー累積出金

という条件でポンジスキーム型の案件が運用されると、88日で資金が枯渇することを論じている。

 

実際には入金ボーナスの提示などによってさらに増資したり、参加者が急激に増加するシチュエーションも存在するため、これより長く続くものも無いとは言えない。

 

一方で、資金を集めきったタイミングが「飛び時」と考えられることから、SUCAR氏は前掲記事にて(上記条件下では)残高が最大化できるのは44日付近で、この辺りが飛ぶタイミングであることも指摘している。

 

そして、もうひとつ注意したい点がある。ビットコインで受け付けた入金がサービス内通貨(あるいはポイント)に変換されて、配当はUSDなど法定通貨で払い出されるといった案件も存在するため、ビットコインレートが急激に下落した場合などは想像以上に早いタイミングで破綻する(=飛ぶ)HYIPも存在するという点だ。

 

ビットコインで入金を受けても、実際に運営側がビットコインのまま保有を続けるというケースは少ないことが推測できるため、出資者は運営元と同様に実はビットコインレートと為替のリスクも背負っていることになる。

 

したがって、こうしたリスクマネジメントのためにさらに早く飛ぶ案件もあれば、長く続いていると見せかけて、実際のところそれは投資が上手く回っているわけではなく、ビットコインの値上がりが予測されるためにさらなる出資者を集めるという案件も存在するだろう。

 

またHYIPの中でも「満期元本返戻型」の案件が大きく人気を集めているが、これを「元本保証」と混同してしまっている人も多く見受けられる。例え満期で元本が引き出せたとしても、その投資先がトンズラ前提で運営されていれば、「満期元本返戻」の言葉には何も意味は無い。

 

これらの情報を整理して注意したいのは、「先行者利益がある」と謳っておきながら、あるいは「HYIPは早く参加すれば逃げ切れる」と思わせておきながら、オープン直後に配当をほとんど出さないままトンズラするHYIPも今後出現するのではないかという点である。特に事前登録を積極的に募っているPlatinum World Team Buildあたりはそのニオイがプンプンする。

playbaseball.hatenablog.com

 

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▼関連エントリー

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