HYIPは88日で破綻する?ポンジスキームの持続性と「元本返戻」のワナについて

「先行者利益がある」「勝ち逃げできる」といったフレーズで出資者を勧誘しているHYIPは数多くあるが、HYIPの寿命は極めて短い。いつの間にかシステムトラブルが起こったり、ログインできなくなって元本が回収できないままトンズラ。ここから紹介者はさらに他のHYIP案件を紹介したりするから非常にタチが悪い。

 

さて、そんな投機にも値しないHYIPであるが、資金が枯渇するタイミングについて簡単に計算されているブログ記事があったのでご紹介させていただく。

 

supercar.hatenablog.com

 

同記事において筆者のSUCAR氏は、

 days:単純に経過日数
入金:1日の入金(単位は問題じゃないのでご自由に)とりあえず毎日100とする
入金累積
紹介料 とりあえず10%は紹介料で出ていくとする
配当:とりあえず2%固定
出金:紹介料+配当 複利で回さず全員単利で即日出金するとする
累積出金
残高:累積入金ー累積出金

という条件でポンジスキーム型の案件が運用されると、88日で資金が枯渇することを論じている。

 

実際には入金ボーナスの提示などによってさらに増資したり、参加者が急激に増加するシチュエーションも存在するため、これより長く続くものも無いとは言えない。

 

一方で、資金を集めきったタイミングが「飛び時」と考えられることから、SUCAR氏は前掲記事にて(上記条件下では)残高が最大化できるのは44日付近で、この辺りが飛ぶタイミングであることも指摘している。

 

そして、もうひとつ注意したい点がある。ビットコインで受け付けた入金がサービス内通貨(あるいはポイント)に変換されて、配当はUSDなど法定通貨で払い出されるといった案件も存在するため、ビットコインレートが急激に下落した場合などは想像以上に早いタイミングで破綻する(=飛ぶ)HYIPも存在するという点だ。

 

ビットコインで入金を受けても、実際に運営側がビットコインのまま保有を続けるというケースは少ないことが推測できるため、出資者は運営元と同様に実はビットコインレートと為替のリスクも背負っていることになる。

 

したがって、こうしたリスクマネジメントのためにさらに早く飛ぶ案件もあれば、長く続いていると見せかけて、実際のところそれは投資が上手く回っているわけではなく、ビットコインの値上がりが予測されるためにさらなる出資者を集めるという案件も存在するだろう。

 

またHYIPの中でも「満期元本返戻型」の案件が大きく人気を集めているが、これを「元本保証」と混同してしまっている人も多く見受けられる。例え満期で元本が引き出せたとしても、その投資先がトンズラ前提で運営されていれば、「満期元本返戻」の言葉には何も意味は無い。

 

これらの情報を整理して注意したいのは、「先行者利益がある」と謳っておきながら、あるいは「HYIPは早く参加すれば逃げ切れる」と思わせておきながら、オープン直後に配当をほとんど出さないままトンズラするHYIPも今後出現するのではないかという点である。特に事前登録を積極的に募っているPlatinum World Team Buildあたりはそのニオイがプンプンする。

playbaseball.hatenablog.com

 

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