逮捕者が出る?裁判間近?D9クラブの詐欺事件に関して情報を整理してみた

2016年末から2017年の春ごろにかけて広まりを見せた投資詐欺「D9クラブ」というものがあります。このブログでは2017年に入ってすぐから同投資案件に関する注意喚起を行なっていましたが、最終的に多くの人が出資を行い、日本からの出資者だけでも数百億円規模の被害者が出ています。今回はこのD9クラブの詐欺事件に関して、時系列や関係者を整理しながら情報をまとめていきます。

 

 

高利益の配当を謳いビットコインで出資を募る(2016年11月〜)

Round Silver and Gold Coins

D9クラブはブラジルに本社を構え、「ダニーロサンタナ」という人物が会長としてトップの職に就き、ブックメーカーを運営する「betfair(ベットフェアー)」という会社に投資を行う投資会社だと自称。同社は投資事業で多額の利益を得ているため、出資者には日利1%前後の配当が支払われるという点で注目を集めており、出資は仮想通貨のビットコインで受け付けていました。

 

日本での拡散(2017年2月ごろ〜)

D9クラブは2017年に入ってすぐぐらいから日本でも勧誘行為が活発になりましたが、背景には泉忠司や湯田陽太などMLMの重鎮が拡散を主導していたというものがありました。また、2018年にSENERという海外の投資案件の勧誘に関連して逮捕された柴田千成という人物もD9クラブの勧誘を行なっていました

 

彼らは自分を信頼する人物に同案件が「いかに素晴らしいか」を語るセミナーなどを開催し、代理店方式で出資者を募るなどの勧誘行為を繰り返します。本来、D9クラブはビットコインでしか出資者を受け付けていなかったものの、出資者から現金(日本円)を預かり、ビットコインの購入や会員登録・送金などを代理して行なっていた側面もあったことが判明しています。

 

実態はポンジスキーム(ネズミ講

さて、このようにして広がったD9クラブですが、当時はHYIPと呼ばれる高利益を謳ったD9クラブと同じような投資案件に資金を投入するのが、小規模ながらブームになっていた側面がありました。そのほとんどがMLM報酬を設定し、会員をダルマ式に増やしながら、ある一定のところで配当を停止してWEBサイトも閉鎖して、出資者のお金を持ち去るという結末を迎えます。

 

これらの投資案件は、事業や投資を行うことで払い出す利子を確保すると謳っていましたが、実際には先に出資した者の配当は、後から出資した者の出資から払い出されるという典型的なポンジスキームの形態を成していました。

 

 

 

布川敏和司会のコンベンションを開催直後に破綻(2017年4月)

2017年4月に、D9クラブはさらなる出資者を獲得するためのプロモーションとしてお台場のヒルトンでコンベンションを開催します。そしてそのイベントの司会者は元シブがき隊のふっくんこと布川敏和氏が務めるなど、そこそこのお金をかけたものになりました。

 

このイベントに出席したことで出資を決めた人などもいたようですが、D9クラブはイベントの直後に「ハッキングされて資金が盗難されたため、配当が払い出せない」などという言い訳をし、結局そのままトンズラしました。

 

勧誘行為に際する問題点

普通に考えて「日利1パーセント」などという高利子を払い出し続ける投資案件が存在するわけが無いですし、騙されて「被害者だ!」と騒ぐような人だって儲けられると思って紹介者を出したりもしているので、出資した人にそもそもの責任があることは言うまでもありません。一方で、D9クラブの勧誘に際して問題行為があったのでは無いかということで、その点について解説を加えておきます。

 

前述の湯田陽太氏は、自身のMLM時代の仲間や大学生を集めJOKERという組織を作り、D9クラブの勧誘行為を行わせていました。彼らは各地でセミナーを開催し、若者を中心に出資者を集めたのです。

 

そしてさらに、お金の無い大学生相手に消費者金融でローンを組んで投資を行うよう仕向けるなどの行為も繰り返していました。さらには、出資法で禁じられている元本保証を盛り込んだ契約書を結んで代理店営業を行なっていた組織もあったことが確認されています。湯田陽太氏らは、こうした問題のある勧誘行為を繰り返しながらMLM報酬を獲得していたのです。

 

勧誘のセミナーでは、D9クラブへの投資の危険性などに言及されないまま誇大広告を盛り込んだ告知が行われていたこともあり、これらの勧誘行為に問題点があったのでは無いかということで、あおい法律事務所が被害者を募って集団訴訟の準備を進めるなどの動きもありました

 

代表のダニーロサンタナは指名手配され逮捕(2018年2月)

D9クラブの代表であったダニーロサンタナは、ブラジル当局によって指名手配され、2018年2月にドバイで逮捕されています。サンタナ氏の身柄の引き渡しやその後の公判についての情報は現在調査・整理を行なっています。

 

日本でもSENER(セナー)の勧誘を行なっていた人物が逮捕(2018年11月)

D9と同じくHYIPとして出資者を多く集め、破綻したため被害者も多く生まれた案件にSENER(セナー)というものがあります。この会社も月利20%などの高額な配当を謳って出資者を募っており、アメリカに本社があるとしていましたが、そのような事実は無く、実際はマレーシアの金融詐欺常習犯が仕掛けていた投資案件でした。

 

このSENERの勧誘に関連して、先ほども名前も上げましたが柴田千成(しばたかずなり)という人物ら8名が金商法違反の疑いで逮捕されています。

金融庁に登録せず、米国の投資会社「SENER(セナー)」による運用をうたった架空の金融商品で現金を集めたとして、警視庁生活経済課は14日、金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで、東京都港区白金台、旅行会社代表、柴田千成(かずなり)容疑者(46)ら男8人を逮捕した。

 

違法に出資募り83億円集金か 旅行会社代表ら8人逮捕 - 産経ニュース 

柴田氏はD9クラブの勧誘も行なっていたということで、勧誘行為の方法などに類似点が多々あるD9クラブでも逮捕者が出るのでは無いかという噂が広まっているのです。実際には噂レベルに止まらず、警視庁生活経済課を中心にD9クラブに関連する情報収集が行われているということで、民事訴訟のみならず刑事事件として扱われる日も近いかもしれません。

 

詳しくは下記リンクの記事をご覧ください。

D9クラブ被害者の刑事告訴が警視庁生活経済課で受け付けられてるらしいよ🤗 

 

 

 

D9クラブに関しては、他にも色々な側面から情報をまとめていますので、気になる方は末尾の関連記事をぜひご覧ください。

 

 

 

▼関連記事一覧

D9 Clube・D9クラブというマルチ式投資詐欺の危険性について 

→D9クラブのスキームや問題点についてまとめてあります。

 

D9クラブは飛んだ?ログインできない・着金遅延の状況について

→D9クラブが配当停止に至った際に状況を整理した記事です。

 

D9クラブのハッキング被害による業務停止について見解を述べます

→D9クラブがハッキングされて配当が払い出せないというアナウンスを行なった際に書いた記事です。

 

逮捕も?D9クラブ経営陣(藤山カルロス、ダニーロ・サンタナ)の詐欺活動の経歴について

→D9クラブの運営陣である藤山カルロス、ダニーロサンタナが過去に詐欺行為を行なっていた件について海外のWEBサイトで見つかった情報をまとめた記事です。

 

Youtuber怪盗ピンキーがツイキャスでD9クラブを宣伝していた?

→YouTuberとして活動している「怪盗ピンキー」という人物が、自身のファンを相手にD9クラブの勧誘行為を行なっていた件について指摘した記事です。

 

湯田陽太氏らによる投資詐欺勧誘グループ「JOKER(ジョーカー)」について(D9、SENER、FOIN、RiseToken、ビットシャワー)

→湯田陽太氏が中心となって投資詐欺を広めていたJOKERという組織についてまとめた記事です。

 

D9ドルが返金される?!D9クラブによるベットコインクラブというブックメーカーの運用について

→「D9クラブが復活するかも」などと噂されている際に情報をまとめた記事です。