チケットキャンプが無くなったせいで逆に詐欺が増えている?

チケットキャンプが無くなったせいで逆に詐欺が増えている?

消費者同士がコンサート、ライブ、スポーツの試合のチケットを売買できるプラットフォームとして利用者が多かったチケットキャンプですが、転売・ダフ屋行為を行なっている業者を優遇していたなどの不祥事が発覚し、2018年にサイトは閉鎖されました。チケット関係はメルカリやヤフオクなどでも出品が規制されているため、「どうしても欲しい」というチケットがある人はツイッターなどのSNSを通じて、ファン同士でチケットを売買するようになりました。

 

しかし、やはりSNSでもチケットを捌けることがわかった転売業者は今も活動を続けていますし、「チケットを売ります」と言って入金させてチケットは渡さない詐欺の事例が、チケットキャンプンのようなプラットフォームが無くなってしまったために、かえって増えてしまったのでは無いかという指摘をしている人も少なくありません。

 

ジャニーズ事務所の人気アイドルグループ「King&Prince」のコンサートチケット代をだまし取ったとして、警視庁少年事件課は21日、名古屋市の愛知県立高校3年の少女(18)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。逮捕は20日。「最初からだまそうとしたわけではなく、友人からもらうはずのチケットを入手できなくなったため渡せなかった」と容疑を否認しているという。

 

「キンプリ」チケット詐欺容疑、女子高生を逮捕 - 毎日新聞

高校生が逮捕されるようなニュースも。 

 

チケットは需要と供給に基づいて売買されているものであり、転売を規制しようとしても簡単に無くせるようなものではありません。本人確認を徹底し、チケットを購入した本人以外は入場できなくするなどの措置を取っているアーティストもいますが、この対応の場合は「行きたいのに行けなくなってしまった」という人にとってはお金が無駄になってしまいますし、「チケットが余っているのにライブには行けない」という状況も生み出してしまいます。

 

転売屋を締め出すのであれば、チケットキャンプはプラットフォーム運営上の手数料分以上の料金上乗せを禁じるなどの措置もできたはずですが、当のチケットキャンプは大量にチケットを仕入れて転売する業者を「VIP」と呼んで一般ユーザーには知らせずに手数料無料の優遇措置を取り入れていたなど、利益のみに走った不健全な運営状態になっていました。

 

これらの問題点を考察すると、チケットが取れなかったファンと、残念ながら行けなくなってしまったファンが安心して定価付近の価格でチケットのやりとりができるプラットフォームを、ライブ営業を行う業界全体が協力して構築することが急務だと言えるのでは無いでしょうか。