YouTubeの殺人予告動画で考えさせられるネットのモラル

昨年はインスタグラムにアップされた「おでんツンツン男」が逮捕され、今年に入ってからはヤマト運輸の営業所の職員をチェーンソーを振り回して威嚇する様子をYouTubeにアップロードした男が逮捕されました。

 

そしてさらに、YouTubeで特定の人物に殺人予告をする人も現れてしまいました。実際のところ同じような事例は数年前からあるのでさが、こうしてYouTubeの動画で逮捕者も出るこの後に及んでそのような動画を投稿する人がまだいるということで、心配になってしまいました。


一応下にリンクを貼っておきますが、そのうち消されるのではないでしょうか。グロテスクなシーンや特別暴力的な表現があるわけではないのですが、見ていて気持ちがいいものではなく、またYouTubeのガイドラインにも違反していると思われるため、埋め込みはしないでおきます。

リンク:おい陰金たむちん、一月の第二金曜日にお前を殺しにいく。 - YouTube

 

脅迫
略奪、ストーカー行為、脅迫、いやがらせ、恐喝、プライバシーの侵害、他のユーザーの個人情報の漏えいといった行為、また、他のユーザーを扇動して暴力行為に走らせたり、利用規約に違反させたりすることも許されません。こうした行為が発覚した場合、その当事者は YouTube から永久に追放されます。

コミュニティ ガイドライン - YouTube

 

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YouTubeのガイドラインでも脅迫を行うような動画の公開は禁止されており、ISISの犯行声明なども削除対象です。今回は無名のひとりの男性がアップロードした動画ですが、それも「脅迫」という行為自体に変わりはありませんし、許されるものではありません。

 

彼が動画内で「ナイフ」と称して手に持っている物は美容室などで用いられる「クシ」の類のようですが、彼はもし逮捕されたとしたら、「クシだから」「冗談のつもりだった」と弁解でもするのでしょうか。

 

YouTubeに動画を公開する際には、動画を撮影し、そしてアップロードするという作業を行いますが、この段階で「やめておいた方が良い」という判断はできなかったのでしょうか。

 

脅迫罪が成立すれば、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。軽い気持ちやその場のノリも、一度公共の場に出回ってしまえば言い訳は通用しません。今やインターネットは大人も子どももみんなが使えるツールになりましたが、善悪の判断ができない人にはインターネットは使ってはいけないツールなのではないでしょうか。

 

犯罪行為までいかなくとも、ツイッター上では挙動が不自然な人物を無断で撮影して「晒す」ような画像や動画もしばしば見かけますし、「一般人の感覚」「普通に考えればわかること」「モラル」が全く通用しないような場所になってしまっています。

 

ここまでインターネットが普及した今、義務教育ではその使い方をもっと説明する必要も出てくる(現在の情報のカリキュラムでは到底足りないので、追加で行うべき)でしょうし、一般ユーザーもネット上には「当たり前」が通じない人も一定数いるのだということを改めて認識すべきでしょう。

 

リアルを切り取って簡単にweb上に公開できる現代においてこうした問題が挙がっている以上、簡単に「モラル」だけで切り離せない段階に来てしまったのかもしれません。