メディア運営における「正しさ」のマネジメント方法

コンテンツを作って情報を発信していくというメディア運営は、常に正確な情報を適切な形で発信することを意識しなければいけません。発信するコンテンツの根拠となる統計情報や情報の出展元も明示する必要がありますし、逆に適切なプロセスを踏んでユーザーにわかりやすく情報を伝えるコンテンツは価値あるコンテンツになります。

 

welqなどDeNAパレットのキュレーションメディアはクラウドソーシングを通じて雇ったライターによる記事の量産を行い、「数の暴力」とも言えるSEO対策を行ったこともあって多くのヘイトを集める結果になってしまいましたが、情報の出展元を示してそれに関する解釈を記述したり、関連するコンテンツからの情報を挙げながらテーマに関して考察すること自体は決して「悪いこと」ではありません。

 

 

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しかし、welqというサイトの特徴上、ライターが病気や治療法などについて1から調べ上げて丁寧に書いた記事であったとしても、「医療従事者でない者が書いた」という状態では、その内容について正確性は十分に担保することができません。

 

もしwelqの記事内容を医者がチェックした上で記事としては特に問題が無い内容でも、サイト単位で医療従事者からの監修を一切受けずに「信頼に足る正しさ」を保ってコンテンツを発信し続けるというのは無理があることがはっきりしました。

 

つまりは、welqの記事はウェブ一般に転がっている医療情報を寄せ集めた「医療ゴシップ記事」それに過ぎなく、welq自身も「医療ゴシップ誌」の立場から抜け出すことはできなかったのです。

 

医療情報はセンシティブで扱うのが非常に難しい分野ですが、このフィールドにおいて全てのキーワードで医師の監修がついたわかりやすい情報にたどり着くのは今でも難しいのが現状です。だからこそSEOに関してはwelqは大成功を収めました。

 

しかし、「正しさのマネジメント」ができない分野についてコンテンツを作り続けることはリスクも大きく、また、消費者・ユーザーに真の意味で有益な情報を提供できる状態が整っていなければ「発信しない」ことが正しい場合もあるのです。