ひとりの天才は100人の凡人に勝るのか

ロシアの数学者、ペレルマンポアンカレ予想を1人で証明しました。彼のような「天才」と呼ばれる人物が1人だけいれば、世界中の数学者が全知能を注いでもなお解くことができなかった難題でさえも解決し得るということです。

 

では、特定のフィールドにおいて、彼のような「天才」1人は、他の100人の「凡人集団」よりも勝っていると言うことができるのでしょうか。何をもってして「勝ち負け」がつくのかの定義もこれでは曖昧なままですが、定義などはっきりせずとも、ある意味において1人の天才の存在は絶対不可欠で、凡人の寄せ集めよりも勝っていると言うことは可能なのではないでしょうか。

 

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アップル社の創設者として有名な故スティーヴ・ジョブズ氏ですが、彼のリーダーシップやカリスマ性は社内外で、そして国境をも越えて高く評価され、彼は「アップルブランド」の価値を確固たるものにしました。

 

アップルと言えばただのリンゴではなく、iPhoneMacが頭に浮かぶというのは彼の成し遂げた偉業のひとつですが、こうして我々の常識の一部をも作り出す発明品は彼がいなければ生まれなかったし、彼がいなければここまで普及することもなかったということは誰も疑わないことでしょう。

 

彼がいなかったらアップルは今我々が使っている意味での「アップル」として使われることもなく、きっと今もただのリンゴそのものを指す言葉であり続けたでしょう。

 

歴史に「たられば」はありませんが、こうしてジョブズ1人が主導した事業が世界を変えたことは事実ですし、彼以外のその他大勢が寄せ集められて力を集結させたとしても、今よりも成功したアップルの姿を見ることは無かったかもしれません。それほど彼とアップルが世界にもたらしたインパクトは大きなものでした。

 

しかし、かと言ってアップルにとって、そしてIT分野のブレイクスルーにとって彼以外のその他大勢が不必要ではなかったこともまた事実です。そして、世界は目に見える「有益・無益、勝利・敗北」だけで甲乙を付けられるほど単純なものではありません。

 

「ひとりの天才は100人の凡人に勝るのか」このブログの題名は正誤判定のできないただの愚問ですが、ひとりの天才を現代社会で生きる我々は必要とし、崇拝し、そして次の天才・カリスマになる準備をしているのかもしれません。そんなことを感じた年の瀬でした。