米12月雇用統計速報:2019年は円高、株安の年になる?

米国2018年12月雇用統計結果(予想値)
非農業部門雇用者数:+31.2万人(+17.7万人)
失業率:3.9%(3.7%)
平均時給:前月比+0.4%/前年比+3.2%(0.3%/3.0%)

 

新年最初の米国雇用統計の発表がありました。雇用者数・失業率・平均時給それぞれが予測値よりも上の数値ということで、相場も若干ドル高に振れるような動きを見せていますが、それでもドル円の上値は重い展開に。一方ユーロドルやポンドドルなどのペアは軒並みドル高に振れており、また株価もダウ(DJI30)は前日比3.3%高値の2万3433ドル16セントで引けました。

 

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ドル円15分足

 

2019年は、年始早々為替相場は大荒れで、1月3日の日本時間午前7時半過ぎにはドル円が一時104円台までレートが飛ぶような動きがありました。アップルの業績下方修正に乗じて板が薄い部分に仕掛けが一気に入ったような動きでしたね。金・原油は年明け値上がりからスタート。昨年は秋から冬にかけて原油天然ガスが上下に大きく動いたということもあり、先物市場もボラティリティが期待できて注目している人も多いような状況です。

 

 

 

世界情勢を見てみると、中東は数年前と比べると比較的落ち着きつつあるものの、やはり中東・アフリカ情勢は決して楽観視できるものではありませんし、世界経済がリスクオフに傾くようなニュースが出てくる可能性も捨て切れません。そういった意味では、年始早々の円高、ゴールド高の動きは2019年のマーケットトレンドを暗示しているようなものかもしれません。

 

世界的にも景気減退の観測が広がっていますが、アップルの業績下方修正を含めて中国経済の停滞が世界的な株安を招く可能性は大いにあると思います。3日朝の相場ではドル円が大きく下落しましたが、実はその時一番売られていたのは豪ドルであり、やはり中国絡みでリスクオフの動きが出ると、豪ドルが真っ先に売られるのは今後も変わらなさそうです。

 

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また、ブレグジットの詳細が中々詰められないポンドも、やはり上値が重い展開。ブレグジット関連のニュースが出るたびに乱高下しますし、特にリスクオフの局面では執拗に売り叩かれるというのは今年も変わらないでしょう。ただし、ブレグジット合意への流れが波乱なく進んでいくようであれば、今まで売り込まれていたポンドが徐々に買い戻されていく可能性が高く、ユーロドルとポンドドルに関してはロング目線で狙っている人も多いと思われます。

 

2018年はドル高という一つのわかりやすい市場のテーマがありましたが、目下米金利を見る限りはこのままドル高がさらに続く可能性は低そうです。したがって、必然的にリスクオフムードがどこか漂う相場になるでしょうし、そうなると株価指数も連鎖的に安値をつけるようなトレンドが起こるでしょう。新年早々ボラティリティが大きく荒れる相場になりましたが、米国債利回りのイールドカーブのねじれなども気になるところであり、特にリスクオフの動きで相場が大きく動くことに注意した方が良さそうです。