ビットコイン高騰の裏に潜む犯罪|1億円強奪未遂事件と相対取引の実態

 

ビットコインを狙った犯罪

昨日「早ければ月曜日にも100万円は行くでしょう」と書いたのですが、今日達成してしまいました。ビットコインはこの1年で10倍以上の値上がりを見せています。

 

「ビットコインに需要があるから」価格が高騰しているわけで、それを狙った犯罪というのもやはり出てきています。まず思い出されるのは、53歳の女性を殺害してビットコインを奪ったという事件。

参考:http://endia.net/nodamiyuki-bitcoin

 

さらに最近出てきたのは、ビットコインの取引をしようとホテルの部屋に行ったら暴行を加えられ、1億円相当のビットコインを渡すように迫られたという事件です。

参考:https://mainichi.jp/articles/20171125/k00/00m/040/162000c

 

「相対取引」の実態

私も仮想通貨のいろいろな情報を調査していますが、実はビットコインの「相対取引」と呼ばれる取引所を介さない個人同士の売買にはさまざまなトラブルがあるとよく耳にします。

 

まず、どうして取引所を介さずにやりとりをしようとする人がいるのかと言うと、多くは

・税金の支払いを逃れる目的

で個人間の売買を成立しようとさせます。したがって、売買の際、「手数料」として「ビットコインを売りたい人」が実際の取引レートよりも数パーセント安くビットコインを売るというケースが多いようです。

 

数億円規模の取引が多い

また、「税金を支払いたくない」という目的からおわかりいただけるかとは思いますが、一回の取引額が数億円になるケースも少なくありません。

 

取引に際しては、相対取引を成立させるためにビットコインを大口で少し安く買いたい人と、税金をかけずにビットコインの利益を確定させたいという人を結びつける「バイヤー」と呼ばれる人が、自身のツテから取引額や手数料を考慮して取引を成立させようと動き回ります。

 

取引場所はホテルや銀行の応接室など

そして実際に条件面で折り合いがつけば、ビットコインを売りたい人と買いたい人がホテルの一室や銀行の応接室などで会して、ビットコインを送って現金を支払うという取引を行います。

 

場所は聞く限り、首都圏はもちろん、地方都市でも活発に行われているようです。

 

数億円の現金が一度に動くわけですので、警備会社を手配するケースなどもあると聞きます。しかし、多額のお金が動く取引ですので、トラブルも多々あることを聞いています。

 

相対取引のトラブルの例

これまでに私が聞いたことのあるトラブルは、

・取引をしようと約束の場所に出向いたが、相手が現れなかった

・相手から渡された現金が偽札だった

・取引のためにホテルに出向いたらお金やハードウォレットを強奪された

・取引の際にイチャモンを付けられて、取引が不成立になった責任として手数料を支払うように恐喝された

といったようなものです。

 

警察沙汰になっていないケースも多いようですが、これはやはり「税金を逃れようとしているため、警察には言いにくい」といった理由のため表に出てこない場合が多いと推測できます。

 

こうしたケースが徐々に増えてきているため、

・取引の前にお互いの身分証や現金、ビットコインの残高を提示し合う

といった対策などをしようとする場合もあるようですが、今度はそれを逆手に取って相手にイチャモンを付けて不当に金銭を要求した上で「身分証を晒すぞ」と恐喝するといった手段を用いる輩もいると聞きます。

 

今回報じられた福岡での事件は、関わっているのが未成年ということですが、裏には暴力団などの犯罪組織が絡んでいる例も頻繁にあると聞きます。

 

HYIPで広まった相対取引

実は、現在は下火になっている投資詐欺「HYIP(ハイプ)」が流行った頃、それで一儲けした人たちが税金を逃れるために税金を支払わずにビットコインを売却できる手段として相対取引は徐々に広まっていったようです。

 

最初は仲間内でやっていたものが、ビットコインをはじめとする仮想通貨の高騰により需要も高まり、それを中心にお金儲けをしている「バイヤー集団」も各地方でネットワークを形成しているようです。

 

そこに目をつけた暴力団や反社会的グループが、こうした仮想通貨長者を狙って相手からコインを奪おうという事件が発生しているのです。

 

まとめ

税金は払いましょう。