「文字数に応じて報酬を支払うつもりは無い」というクライアントとバトルになった話

クラウドソーシングでSEO対策のためにコンテンツを作成するというお仕事を受けたときの話です。

 

クライアントさんは、WEB制作全般をメインにやっている会社なのですが、アフィリエイトサイトも運営しているため、そのサイトの検索順位アップに必要なコンテンツを作成するように依頼を受けました。つまりは「検索順位が上がる記事を書いてくれ」というお仕事の内容です。

 

それに対して、私は設定したキーワードに必要なコンテンツのタイトルを考え、検索1位を取るために必要だと考えられる文字数に応じて見積もりを提出しました。するとそれに対して返ってきたのは、

 

「うちは文字数に応じて(文字単価で)報酬を支払うつもりは無い」

 

というメッセージでした。本当にこれだけの文面でしたので、どういう意図で言っているのか、そして書いた記事に対してどのようにして報酬を支払うつもりなのかを聞くために電話をしました。

 

電話では、クライアントのこの発言には次のような意図があったと伺いました。

・文字数に応じて支払うと、文字数稼ぎで質の低いコンテンツを納品されるかもしれない

・質が高ければ高く買い取っても良い

 

クライアントの言いたいことはわかるのですが正直「それなら最初に言ってくれよ」と思ってしまいました。

 

私は「このサイトに足りないコンテンツのタイトルと記事の内容をチェックしていただき、できればそのコンテンツを作成してください(作成できない場合は外注します)」という依頼を受けたので「このタイトルでこのくらいのボリュームで作成するのであれば、このくらいの金額を下さい」というところを明らかにしたまでです。

 

しかし、「質が低かったら困る」という理由で自分の仕事に対してどれくらいの金額がつくのかわからないままその作業をするというのは、正直「最低買取金額」でも決まってない限りは不可能です。

 

そこで試しに過去に作成した同じようなテーマで作成したコンテンツを見てもらうと、「このくらいの内容であれば2万円~3万円はお支払いできます」とのことでしたので、「私のコンテンツの質を見ていただいた上で、質は同程度に仕上げられますので、これから作成するコンテンツが最低でもいくらになるか教えていただけませんか?」という問い合わせをしました。

 

するとやはり、「それは出来上がったものを見せてもらわないと無理」という返答が。

 

正直なところ、ライターやWEBコンテンツ作成の仕事に従事している人間は、「作業のボリューム」と「単価」を掛け合わせたところでその仕事を受けるかどうか判断します。それなのに、完成して納品するまで「いくらになるかわからない」という仕事の依頼の仕方は、正直なところ納得できませんでした。

 

確かに文字数を稼いだコンテンツが無価値なのはわかりますが、それでも作業量と報酬にはある程度相関性がありますし、私はこの案件に応募する時点で過去作成したWEBコンテンツを見せた上で依頼を受けました。

 

そして、それに加えて他にも「自分の仕事の質」を見せているのだから見積もりが全くできないなんてことは無いだろうと再度尋ねました。しかし、クライアント側も一歩も譲らず。今回の案件はパスすることにしました。

 

私のスタンスとしては「最低限どのくらいのお金が稼げるのかもわからない仕事は受けることができない」というもの。自営業ですし、自分の時間は有限で、自分の時間は資産でもあります。いくらになるかわからないモノづくりに時間を割くのはやはり不安です。結果的に自分が思っているより高い額がもらえる可能性があってもです。

 

まぁこういうクライアントは決して多いわけじゃなく、むしろほとんどは「文字単価○○円をベースに」という依頼をしてくれる場合がほとんどですので、これから同じような依頼が増えるわけではないでしょう。しかし、このクライアントにはハッキリ言っておくべきでした。

 

「そんな依頼の方法じゃライターは集まらねーよ」

 

と。