今回はコチラのニュースを見て気になったことを少し。
・イズミヤは「神戸牛3割引」を謳った広告を出しておきながら、実際には神戸牛を仕入れていなかった
というのが問題点で、イズミヤはこの件に関して消費者庁から景品表示法に違反しているとして※措置命令を受けました。
※措置命令とは
消費者庁が、景品表示法に違反して、商品の品質や値段について実際よりも優れている、または安価であると消費者が誤解するような不当表示などをした業者に、その行為の撤回、再発の防止を命じる行政処分。命令に違反した場合、2年以下の懲役刑または300万円以下の罰金刑が科せられる。
http://www.yakujihou.com/keihyouhou/links/sotimeirei.html
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Yahooニュースでも「イズミヤおとり広告 措置命令」という文言でトップページにて扱われました。
イズミヤは阪神阪急グループのエイチ・ツー・オーリテイリングと経営統合もされている、小売業では割と大きな会社で、関西ではイズミヤブランドも確立されています。そんな会社が実際に扱っていない商品を広告に打ち込んでいたということで、大きな騒動になりました。
「集客になるならそれでいい」という考えだったのか、それとも単なるミスが続いたのかはわかりませんが、このおとり広告は去年7月から1年以上に渡って同様の問題を繰り返していた疑いが指摘されています。
なお、今回「おとり広告」を出していたとされるのは以下の3店舗だという調査結果が報告されています。
・スーパーセンター八尾店
この件を見て、ネットの広告業界にもさまざまな問題点がたくさんあるなと改めて実感しました。
例えば楽天スーパーセール。「半額」を謳っておきながら、実際には割引されていなかったりなんてことがユーザーから何度も指摘されています。
参考:楽天スーパーセールで失敗しない買い方 詐欺とも言われている半額商品 : 痛生活
こうした広告や値段表記も今回のイズミヤの問題に類似するものがありますし、消費者からすればこれも「おとり」の一種です。
あるいは、3回以上の定期購入が必要な化粧品を「ワンコイン(500円)で試せる!」という広告を出しながら、実際には初回が500円なだけで、2回目以降は数千円かかるが、そのことは広告記事に明記されていなかったり、記事の最後に小さく表示されているだけだったり。
また、「○ヶ月以内なら完全返金保証」と書いてあるのに、返金する意志が一切無い業者も結構あります。
それぞれの企業は生き残りに必死で、どうにかユーザーに使ってもらうためにネイティヴ広告を取り入れたり、ASPを介してアフィリエイターのブログで扱ってもらったりといった手法を取っています。
しかし、商品の内容そのものに「おとり」があったり、アフィリエイターが商品を売って報酬を得たいがために「おとり」の要素を含んだ広告記事を書いて商品を紹介してしまったりといった事例も非常に多いです。
もちろん商品を注文するときにしっかり消費者が確認を怠らないようにするといった態度は常に必要ですし、一概に業者側だけに非があるとは言えません。しかし、上記のような「おとり広告」はネット上に散乱しています。
この状況は決して好ましくないものですし、このような状況が続けば消費者は広告そのものはおろか、メディア、そしてインターネットを一切信用しない状況に陥ってしまうかもしれません。
昨日のブログにもエントリーした内容ですが、「メディア」としての「個人」は、今後インターネット上の情報ソースとして大きな力を持ちます。それは個人ブロガーでも一緒。
「商品が売れて儲けになれば多少のおとりも仕方ない」というスタンスでは、いずれそのブログそのものにブロガーが喰われてしまうでしょう。そのことをもっと意識しなければいけない段階にあるのだと私は感じます。
1月3日追記:現段階の調査結果を見てみると、広告の作成はイズミヤが、そして実際の仕入れ・販売はイズミヤのテナントである牛肉商但馬屋が担当していたため、その担当者同士の間に認識のズレがあり、実際には仕入れていない神戸牛もチラシに記載してしまっていたとされています。
消費者庁のウェブサイト上で措置命令に関する情報が公開されており、それに続いてイズミヤ側からの報告もまとめられています。下記URLで閲覧可能で、実際に問題があったとされるチラシの画像も確認できます。
参考:http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/161221premiums_1.pdf