レンタルビデオ屋として知られるTSUTAYAとタイアップして「株の学校ドットコム」というサービスが「TIMING MASTER(タイミングマスター)」という商材の広告を行っています。少し怪しい投資系商材の香りがしますが、一体どのようなサービスになっているのか調査を行いました。
株の学校ドットコムとは
株の学校ドットコムは、株式会社トレジャープロモートが運営する株取引のスクール事業につけられている名前です。この会社については後ほど詳細を書きます。
ウェブサイト:株の学校ドットコム
ホームページを見てみると、19,800円の費用がかかる「通学講座」として、無料で購読できるメールマガジンを「通信講座」としてサービスを展開しているようです。講座で学ぶことができるのは、株取引の基礎から応用まで。プロのトレーダーである窪田剛氏が講師として指導を行っているとのこと。ホームページをみる限り、老後の資金運用などを考えている高齢層がターゲットになっていると思われます。
窪田剛氏について
【トレード歴】20歳の時からバイトで貯めた30万円を元手に株を始め10年で数億円の稼ぎまで増やす。そのお金を元手にして2010年ネパールの田舎に 学校を寄付。2011年、2012年に「東北を、日本を、花火で、元気に」というコンセプトで東北沿岸部で花火を打ち上げる の岩手県宮古市の 担当責任者として参加。
【紹介されたメディア】フジテレビ「情報プレゼンター とくダネ!」/ フジテレビ 「めざましテレビ」/ ダイヤモンド ZAi / en SPA ! / 日経CNBC【著書】『株の学校』高橋書店 7万部のベストセラー
講師の窪田氏は株式投資で様々な実績があるとのことですが、正直なところ投資に関する「自称の実績」ほどアテにならないものは無いです。扶桑社SPA!のようなクソメディアでの紹介など誇れるものでは無いですし、大手投資情報メディアであるダイアモンドZAiなども、脇が甘いケースがよくあります。この窪田氏の経歴にケチをつける訳ではありませんが、「講師の肩書き・実績」はあまり信用しない方が良いです。
また、16年間で60万人以上の受講者数がいるという数字も強調されていますが、おそらく無料メールマガジンへの登録者数の話をしているだけで、それもスクールや講師の質に直結するような判断材料にはなりません。
窪田氏は『株の学校』という書籍も出版しているそうですが、こうした出版の実績もまた、一概にその人物の投資の腕を表す指標になっているとは言えません。極端な話、全く儲かっていない素人同然の人でも投資に関連した書籍を出版しているケースもあります。窪田氏が危険な詐欺師といったニュアンスではなく、最近はメディアの情報は本当にあてにならないということは頭に入れておくべきです。
株式会社トレジャープロモートについて
株の学校ドットコムを運営する株式会社トレジャープロモートは、SBI証券の金融商品仲介業者(IFA)です。金融庁の認可も受けている企業ですので、投資情報を扱う会社としては何も問題がなく、怪しい投資情報を扱っているような会社ではありません。
https://ifa-agent.com/ifa/about.html
株の学校ドットコムは詐欺?口コミ・評価・評判について
株の学校ドットコムを検証する上で口コミや評判も探してみたのですが、同サービスがホームページで公開している「お役様の声」以外にあまり参考になる情報はありませんでした。理由としては、「累計受講者数が60万人超え」と言っても実際は無料メルマガの登録で終わっている人が多く、アクティブなユーザーは限られていることが主なものだと思われます。また、高齢者向けのサービスのようにも思えるため、SNSを利用する年齢層の口コミが出てきていないという可能性も多少考えられます。
株の学校ドットコムのメールうざくなってきた。止めよう。結局、高額な教材の宣伝
— ダンぼ (@2Koj1) July 8, 2017
無料のメールマガジンだけでは儲かりませんので、最終的には有料サービス・教材への誘導になっていくのは間違いありません。IFAということは基本的に証券会社の営業を行う会社・サービスであるため、株取引に関する指導というよりは、投資信託などの営業がメインである可能性も考えられます。詐欺的な情報商材屋の営業スタイルに似ているところはありますが、ライセンスは取得しているのでまだマシな部類ではあります。ただ、FXや株式投資に関しての投資助言代理業の免許を持っている業者のサービスが値段の割に合わないというケースはよくあることなので、利用する際には十分注意する必要があります。
広告が気持ち悪い、不正では? という指摘も
調査をしていると、株の学校ドットコムが出していたWEB広告が気持ち悪いという意見を述べている人が結構な数いらっしゃいました。問題の画像は上記のものですが、確かに一見インパクトがありますが、気持ち悪いという印象を持つ人もいるかもしれません。
株の学校ドットコムのYahooの広告の男の人ほんときみわるい....
— 赤い刺身とか (@AkaisasimiToka) November 24, 2018
ただ、同サービスの広告に関して「気持ち悪い」だけならまだしも、不正に近い広告を出しているという指摘もありました。
にしても、株の学校ドットコムのYahooの広告(ニュースに混ざってる奴)がウザい(´・ω・`)
— M2 (@M2_sado) December 25, 2018
今日、20,000円割り込んだので19,000円にしてやがるし・・・最低(´・ω・`)
こうした広告は最近よくあるものと言えばそうなのですが、株価指数や為替レートに合わせて、あたかも自社サービスが予想を的中させているかのような広告が打ち込まれているケースをよく目にします。もちろん広告ですので効果を上げるためにはフックとなる要素は必要ですが、投資というお金に関わるセンシティブな分野ですので、こうした運用方法や謳い文句には嫌悪感を持つ人もいそうです。
まとめ
株の学校ドットコムは、運営母体はライセンスのあるきちんとした業者であるが、サービスの質については客観的に検証できる情報が少ないです。また、講師の窪田氏の実績なども鵜呑みにするのは少々危険です。以上、利用を検討している方の参考になれば幸いです。