広告・アフィリエイト目的のコンテンツに要注意
現時点で、グーグルなどの検索エンジンを利用して見つかる「ベジシャワー」に関するネット上のコンテンツは、そのほとんどがベジシャワーの広告(アフィリエイト)を目的に作られているもので、誤った表現や「売るための嘘」が含まれているケースすらあり、農薬や放射性物質(放射能)に関する医学・化学的根拠の無い記述を用いていたずらに不安を煽るような文言がしばしば見られます。購入を検討されている方もいるかもしれませんが、自身できちんと情報を精査することを怠らないようにしてください。
ベジシャワー、本当はただの水だと炎上
https://www.watashi-care.jp/lps/sb03/?p=C134024&atnct=より
「野菜についた農薬がさっと落ちる」という謳い文句を掲げて販売されている「すっきり洗菜ベジシャワー」という商品が、SNSで話題になっています。
こういうの、絶対に騙されないで下さいね。
— Y (@y_psychologist) November 1, 2018
あのね、ミニトマトって3月に種まき、5月に苗を植え、7-9月くらいに収穫すると思うんですが、そのたった半年足らずで49回も農薬を散布するなんてありえない。どんだけ効率悪い農業なの?農薬の散布はせいぜい1-2回だと思いますよ。
ベジシャワーって何だよ。 pic.twitter.com/vOAY5QKqRB
この商品は「100パーセントアルカリイオン水だから、食品にふきかけても安全」とも言われていますが、中身は「ただの水」と断言して問題無いでしょう。「なかのの夫」というアフィリエイトブログ運営者が、アフィリエイト目的に科学的に根拠の無い情報を拡散し、物議を醸しました。
「ベジシャワーで洗うと、水道水と違って水の色が黄色になる。これが農薬の一種、展着剤だ」という表記もありますが、これに関しては野菜がもともと持っている成分が原因であることが指摘されています。
ネット上で「ブロッコリー 残留農薬」で調べると「ブロッコリーに散布された残留農薬が落ちている」とされる写真が出ているかもしれません。その時に出てくるのはトマトで出てきたような黄色っぽい液体ではなく、油やワックスが水に浮いているような状態になっています。
冬場のブロッコリーではこのアルカリイオン水は関係なく「ブロッコリーを水で洗ったら白い油のようなものが浮いてきたがこれは農薬か?」というようなクレームがでることがあります。これはブロッコリー等のアブラナ科の植物の特徴で、植物が乾燥や害虫等から自身を守る為にロウ状の物質を分泌する「ワックスブルーム」というものが原因です。
上記のツイートでも言及されている「トマト(ミニトマト)」に関しても、ベジシャワーのようなアルカリイオン水を用いるとリコピンの成分がアルカリ性に溶け出して黄色く見えるケースがあると指摘されており、ベジシャワーの「ただの水」を高額で購入してわざわざ吹きかけても、健康に良い影響があるかどうかという点については疑問が残ります。
ベジシャワーの類似商品にベジセーフというものがありますが、この製品もカリウムを含有する普通のアルカリイオン水です。
pH12の強塩基(強アルカリ性)?
ベジシャワーとか言うの見てみたけど、こんなん野菜生えるわw
— 炎隼守の旅人・キツツキ (@pad_horusy) November 5, 2018
・pH12→手がただれます
・環境への影響→強アルカリ性でそのまま流せば水棲生物が死にます。(環境省の排出基準はpH5.8〜8.6)
・99.9%の純水と0.1%の炭酸カリウム
→pHは高くても9程度です。 pic.twitter.com/om2hTrzTAA
ベジシャワーの公式サイトにはアルカリ、酸の強弱を表すpH値が12で強アルカリ性であるといったことが書かれていますが、そんな強アルカリ性の液体を吹きかけて食べるのは極めて危険ですし、含有成分とその配分を見ればpH12になるはずがありません。このようなふざけた情報を発信する会社の製品は全く信用できませんね。
残留農薬や放射性物質の危険性と対策について
そもそも日本で出荷される食品は、農作物も含めて残留農薬試験が義務付けられていますし、放射性物質に関しても同様に規定の検査をパスしなければ流通しません。そもそも検査を通過して人体に影響が無い範囲で含まれていることはわかっているのに、「見えない悪性物質」があたかも大量に存在するかのような不安を煽るような広告は、非常に悪質では無いでしょうか。
ちなみに、アメリカコネチカット州の農業試験場が2015年に行なった実験では、食品を洗える洗剤を用いたり、アルカリ性の水を用いて洗っても、普通の水道水の流水で30秒間洗った野菜と、残留農薬の量は変わらないという結果が報告されています。そして、表面を洗ったり、皮をむいたりと言った「普段の調理で行う工程」を通じて、残留農薬のほとんどは除去されることもわかっています。
参考:CAES: Removal of Trace Pesticide Residues from Produce
・そもそも出荷段階で、健康に影響が無い量の農薬しか残っていない
・その残った農薬も普通に料理をする工程を経て、食べるまでにほとんど除去される
これらの点を踏まえると、ベジシャワーのような怪しい宣伝を行なっている商品をわざわざ使わなくても、健康上の影響は全く無いと言えるでしょう。
怪しい「評判や口コミ」に注意
ベジシャワーだけに言えることではなく、通販で扱われているその他の化粧品や健康食品にも関連することですが、口コミや評判が本当に利用者から寄せられたものなのか、それすら怪しい状態の広告を展開して販売されている商品も数多くあります。自分で情報の真偽を見極めるための「リテラシー」が重要であり、それを育てるのは「教育」でもあります。
つまり、ツイッターとかフェイスブックとかYouTubeとかばっかりやってないで勉強しなさいよあんたたち。うちのブログはどんどん読んで。どうぞ。
販売している会社は株式会社ジョイフルライフ
最後に、こんなふざけた商品を出している会社の情報も載せておきます。
販売業者:株式会社ジョイフルライフ
運営責任者:矢向史生
住所:東京都千代田区麹町4-5KSビル7F
電話番号:0120-533-333
FAX番号:03-6893-8094
メールアドレス:info@watashi-care.jp
URL:http://www.watashi-care.jp
おわり。
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