インド株バブルが到来!?株価の見通しとETF、投資信託などの情報

ここまで長期スパンで成長を続けてきたインド株ですが、最近になって連日高騰する日が続き、注目する人が増えています。まずはじめに現時点までのインドの代表的な株価指数BEN SENSEXのチャートを見ていきましょう(単位はインドルピー)。

 

 

SENSEXチャート5年(週足)

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出所:インドSENSEX指数 | マーケット情報 | 楽天証券

5年間で約2倍の成長です。

 

SENSEXチャート6ヶ月(日足)

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出所:インドSENSEX指数 | マーケット情報 | 楽天証券

続いて直近6ヶ月間のチャートです。押し目を作りながらも順調に成長していっていることがわかります。

 

 

 

(参考)インドルピー/米ドルの為替レート

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参考までにインドルピー(INR)と米ドル(USD)の為替チャートを貼っておきます。直近のドル高の影響もあり、INRは過去最安値付近にあることは確かですが、INRの下落率を考慮しても、極端なインフレに頼った見かけ上の株価上昇で無いということは明らかです。

 

追記:2019年2月

2019年2月現在のインフレ率も中央銀行のターゲットの範疇にあり、大きな変動は無く経済成長に伴って推移していくとの見方が強くなっています。

 

(参考)S&P CNX Niftyチャート5年

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NIFTY 銘柄 - CNXニフティ指数 名称 - Bloomberg Markets より

インドの株価指数にはSENSEXの他にこのNiftyというものもあるのですが、どちらにも共通して入っている銘柄が多くあり、値動きには相関性があります。

 

インド株はバブルか|今後の株価の見通し

インドはご存知の通り中国に匹敵する13億人以上の人口を抱えており、その経済発展の状況を見ると、今後もまだまだ期待できる側面が大きいように思えます。

上海総合株価指数(10年)

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上海総合【000001.SS】:海外指数 - Yahoo!ファイナンス より

また、上記の中国株や2017年から2018年にかけてのビットコインなどのチャートと比較して見ても、バブル期特有の「投機目的の買いが爆発している」というようなチャートには見えません。インド株は日に日に存在感を増して注目される存在になりつつありますが、「バブル」と呼ぶには早い段階のように思えます。

 

インドと言えばITに強い国というイメージがありますよね。実際にインドのIT企業の業績は良好で、前述の株価指数を底上げするのにも貢献していますが、インドの労働人口の約半数は農業に従事していることが知られています。

 

第一次産業の下支えの上にIT産業が成り立っているという経済的には強い構図ですが、インドが過去の中国と同じように力を入れて経済成長を目指すのであれば、現在の農業従事者が製造業やサービス業に流れていく動きがもっと顕著になると予想します。インド株が一旦のピークを迎えるいわゆる「バブル」の時期は、その動きに合わせて訪れるため、今はまだその段階に無いというのが私の見解です。

 

追記:原油価格の下落がインドの経済成長を後押し

原油価格とインドの経済成長

 WTI原油日足チャート

 

2018年の秋から冬にかけて原油価格は大きく下落し、75ドルの高値から40ドルまでという大幅な下落幅を記録しました。2019年2月現在50ドル代半ばまで回復していますが、昨年と比べてある程度落ち着いた原油価格は、これから経済成長を続けるインドにとっては追い風要素となるように思われます。

 

政治状況と今後のイベント(2019年)

2019年のインドの政治関係イベント

出典:インド 2019 年の相場展望|大和投資信託

現在与党であるインド人民党は、最近の地方選挙で議席数を減らすなど厳しい闘いを強いられていますが、リーダーであるモディ首相は依然として高い人気を誇っており、2019年5月に行われる下院選を終えても政権は維持できるとの見方が強いようです。一方で、その予想が覆された場合には、政情不安から株価や為替レートにも大きな影響が出る可能性があります。直近はその辺りの動きに警戒しておいた方が良いでしょう。

 

パキスタンとの対立は大きなリスク

2019年2月になって、インドとパキスタン両軍がお互いに空爆や戦闘機の撃墜を行うなど、対立が激化しています。これはインド経済にとってもリスクであり、今後の展開次第では株価に影響を与える可能性も高いため、注意が必要です。

 

「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」という為替や株式相場に関連した格言がありますが、インド情勢が悪化するようであればSENSEXやインド関連の投信の買いポジション保有は見送り、ドルや円、スイスフラン、ゴールドなどのポジションに移行するのが無難だと思います(尤も最近は金が高値域にありますが)。

 

 

 

インド株ETF・ETN、投資信託について

野村証券日興アセットマネジメント、SBIなど、日本の証券会社を通じて買い付けできるインド株ETFには上記のようなものがあります。投資信託については、試しに楽天証券投資信託検索の項目から「インド」と入力して検索してみると60件以上が見つかりました(一部インドネシア関連の投資信託もありました)。

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検索結果一覧(基本情報) | 投信スーパーサーチ | 投資信託を探す | 投資信託 | 楽天証券

 

最近はトルコやアルゼンチン、ベネズエラなど各国の通貨が大暴落し、新興国投資に暗雲が立ち込めているような状況ですが、インド株はこれまで通り緩やかでも確実な成長を遂げており、マーケットでの注目も集まっています。世界情勢を見ても安直に買いとは言えない状況ですが、今後の経済発展を踏まえると、世界の金融にとってインド市場は見逃せないものになっていくのでは無いでしょうか。

 

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