ビットリージョンのシステムが破綻し過ぎ。寄付?投資詐欺です

2017年3月20日追記:現在ビットリージョンのGHが停止中(出金できない状態)でビットリージョンは飛んだという情報があるが、この件については現在調査中である。

 

まずはこちらの動画を見ていただきたい。今回取り上げるビットリージョン(BitRegion)のプロモーション動画である。

 

www.youtube.com

 

さてこれを見て、「すごいシステムだ! ネット上で世界中の人と仮想通貨取引ができるから、1日1%の配当を得られそうだ!」と思った方はいるだろうか。まぁそんなに都合の良い話はない。結局ビットリージョン、これもまたマルチ詐欺の一種である。

 

 

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ビットリージョンは銀行代わりに使えるのか?

プロモーション動画の中でも、ビットリージョンは自身のサービスを銀行に例えて寄付や支援の際にはお金が受け取れて、逆に貸付を行って利子・配当を得ることも可能だと謳っている。その利子・配当が日利1%ということだから、大金を貸せば貸すほどすごい配当収入が得られるシステムになっている。

 

しかし、ビットリージョンのように知らない個人が「善意で寄付」といった形でお金をやり取りする人は、この世界にどれほど多くいるであろうか? クレジットカード、消費者金融、銀行、車や住宅ローン、携帯電話の分割支払いも含めて、お金の借り入れや信用取引には審査が必ずあるものだ。カード会社や銀行は信用も無い人に寄付なんてしない。貸付だってしない。なぜならそのお金が返ってくるかどうかわからないからだ。

 

さて、ビットリージョンではなぜ現実世界ではありえないシステムでお金を寄付してもらうことが可能なのだろうか? 答えは明白、参加者から巻き上げたお金をグルグル回すだけのポンジスキーム=ネズミ講だからである。銀行の代わりにビットリージョンにお金を預けて利子で儲けようなんていう考えは、振り込め詐欺業者にお金を払おうか迷っている状態と同様であると言っても過言ではない。「そんな上手いこと行く投資は無い」のである。

 

寄付にしてももちろん、団体の活動内容や活動理念に賛同した場合に寄せられる場合がほとんど。見ず知らずの困っている誰かの衣食住に使われる寄付金を献上したいなんていうお金の余った人は、そもそもビットリージョンをやってはいないのだから、運営の語るシステムはただの夢物語だ。

 

破綻しているビットリージョンのソーシャルレンディングシステム

ビットリージョンのような質の悪いポンジスキームが日本で展開されるとき、詐欺である外見を隠すために、彼らはさまざまな横文字を用いる。ビットリージョンの場合は寄付の意図で「ソーシャルレンディング」(あるいはP2Pドネーション)というカタカナを用いており、全く見ず知らずの信用も無い人間に仮想通貨(と言えどもお金)を貸すことが、いかに「世界ではよくあること」で「これからのトレンドである」かが体良く紹介されている。

 

彼らの言う世界が「ポンジスキームやマルチ式詐欺の世界」であるならば、それはよくあることかもしれない。それならば、出資金が返ってこないということもよくあることというのもしっかり理解しておかねばならない。

 

単純に考えて、「お金が欲しいからビットリージョンを利用しよう」という人が多ければ多いほど、「寄付の需要過多」という面白い現象が発生する。まぁ実際には「貸した(寄付した)分しか配当はもらえないよ」というシステムで、このシステムがどれだけ怪しくて破綻しているシステムなのか、そんなのは誰でも理解できる。

 

カタカナで体裁を整えて物事の本質をわかりにくくするというのは日本で展開されるポンジスキームや悪質MLM詐欺の常套手段なのだ。

 

ビットリージョンに登録するまでの過程

・ビットコインを取引所で買う

・ビットリージョンに登録する

・寄付の申請をする

以上がビットリージョンに登録するために必要な手順である。

 

ただし、寄付(投資)のために、最初に0.21btcが必要であり、それは現在のレートで日本円にすると3万円と決して安くない。「登録料」が3万円である。最初に見た動画では、「銀行は手数料がかかるけどウチでは~」なんて言っていたが、面白いことに最初に3万円の登録料を要求してくるのがビットリージョンだ(その後もさまざまなシーンで手数料は要求される)。

 

銀行の時間外ATM利用料が200円程度であることを考えれば、150回ほど利用できる計算になる。彼らが銀行の手数料を引き合いに出して人を騙そうとしているのは明白である。

 

PHとGH

ビットリージョンでは寄付を行うことをPH(Provide Hekp)、寄付を受けることをGH(Get Help)と呼んでいるが、お察しの通り、寄付を行った者にしか寄付を受け取ることはできない。

 

パスポートという完全詐欺システム

「手数料がいらない」と言っておきながら登録料が高額であることには笑えたが、ビットリージョンのパスポートシステムを見てみると笑えなくなってくる。高額すぎるのだ。寄付の支払いや受け取りなどに際して「パスポート」の購入が必要とされるが、それがなんと1回につき0.05btc(=日本円で約7000円ちょっと)というものすごい高値になっているのだ。

 

これは実質手数料であり、この手数料分のペイバックを得るためには、相当高額な寄付(出資)が要される。寄付の申請や受付をキャンセルした場合にはパスポートは失効するなど、結局運営のエサになっているということは丸わかりだ。

 

ビットリージョンのサーバーダウンとログインできない状態について

2017年2月ごろに、ビットリージョンのシステムがダウン(運営発表)し、寄付の申請やなどができないという状況があったようだ。これについて運営側はFacebookページで釈明するなどしてきたが、この一連の流れでトンズラが疑われていた(ログインできないという情報もあったが、どうやらログイン後の画面がハックされたとのこと)。

 

「現在徐々に復旧中」などと言っているが、実際にサービスが再開されるかはわからないし、「システムがダウンしたことで寄付を取り下げ、元本回収できなかった」という事案を大量発生させて、運営が一時的に金を巻き上げたという考え方もできる。

 

とにかく、今後も成長なんて見込めないし、いつトンズラされるかわからない。そう考えてみると、我々が生きる現実社会とはいかに実用的な構造であるかが見えてくる。こんなポンジスキームが都合よくみんなハッピーで成り立つほど世界は甘くないのだ。

 

というかそもそもサーバーがハックされるような管理の甘いところにお金を預けるなんて危険すぎますから!(苦笑)

 

この状況でもなおツイッターやFacebookでビットリージョンの勧誘をしている人がいるが、自分が預けたお金も返ってきていないので、紹介料をもらうぐらいしかできないのだろう。またこれも何度も申し上げているが、LINEでグループを作ってやりとりをする「ビジネス」「投資」の類は、そのほとんどがポンジスキームか質の低いMLMだ。騙されることの無いようにしていただきたい。

 

また、これはD9クラブの件でも取り上げたことであるが、ビットリージョンの公式サイトは日本語対応していないにも関わらず、アクセスの70%以上は日本からのものである。やはり日本人を最初からカモるためのポンジスキームであることは疑いようが無い。

 

本来ならばここから「本当に儲けられるビジネスは極秘で……」という常套句で私がみなさんを搾取しようとする流れになるのが一般的なのだが、当ブログではそのような勧誘はしていないのでご安心を。

 

下記リンクのエントリーでHYIPの危険性を詳しく解説しているので、よければご参照いただきたい。

playbaseball.hatenablog.com