楽天やヤフーのランキングがモンドセレクション化してる件について

このブログの読者はネットリテラシーが高い情報強者の方ばかりだから、「モンドセレクション」の胡散臭さは既にご存知だろう。

 

知らない方も以下引用させていただいた部分をご覧になれば、1分でおわかりいただけるかと。

 

 

 モンドセレクションは「食のオリンピック」「食のノーベル賞」と例える方もいるそうですが、実体はたいぶ違います。

 

 まず、モンドセレクションの対象となる食品が、世界中から選ばれているような印象を受けますが、実際は食品メーカーがモンドセレクションの本部(ベルギーの民間団体)に1製品につき1,100ユーロ(約15万円)の審査料を支払って審査してもらうシステムになっています。

 

 また、オリンピックのように金賞、銀賞、銅賞などもトップ3製品のみに与えられる感じがしますが、選定基準が絶対評価なため、かなりの数の金賞が毎年誕生しています。

 

 私がモンドセレクションの最大の問題だと思うのは、その審査基準や審査過程、認証発行数(受賞者数)が公式に発表されていないことです。公式ウェブサイト*1を見ましたが、華やかな授賞式の様子が載っていても、審査に関することはほとんど未公開です。

 

官能テイスティング、ラベル適合検査やラボ分析を行っているようですが、それらの分析結果などは、全く公表されていないのです。ですから、なぜ受賞できなかったのか、またなぜ金賞をとったのかすら、メーカー側も全く分からないようです。

 

http://yashoku.hatenablog.com/entry/20090302/p1

モンドセレクションは「金を払えば取れるただの飾り」に等しく、国際的な知名度も全くない。賞を取るための「審査基準」なるものは、むしろ満たしていなかったら困るぐらいのもので、こんなものを「モンドセレクション金賞を3年連続獲得!」と宣伝要素の一つとして掲げるのは馬鹿馬鹿しい話だ。

 

そんな空虚な冠モンドセレクションであるが、最近の楽天やヤフーのやり方がどうもこれに似てきたような気がしてならない。というのも、一般発売前のダイエットサプリメントが楽天やヤフービューティーのランキングで1位を獲得したというLPを準備して販売されようとしている段階に入っているのを発見したからだ。

 

正確な裏は取れていないので商品名などは出さないが、なぜ一般発売前のサプリメントが1位を獲得することができるのだろうか? さらに面白いことに、「楽天 ○○(発売前の商品名)」「ヤフービューティー ○○」と検索してみると、該当する商品を扱っているページは存在しないのだ。まぁ発売前だから当然なのかもしれないが、一体どうしてこんな矛盾が存在するのだろうか。

 

あるいは、その商品の販売元が勝手に楽天やヤフーのランキングで1位を獲得したことにして売り込もうとしているのだろうか? 念のため販売元の情報を調べてみると、創立10年以上で、海外にもオフィスを構える年商100億円規模の企業である。

 

ECサイトの運営やWEBマーケティング、TVショッピングなど事業も多岐に渡るため、そのような企業がこれまで楽天やヤフーと関係を持っていなかったことは考えにくいし、もしパイプが無かったとしても無断で名前を使ってランキング1位をでっちあげるというリスキーな行為をすることも考えにくい。

 

実際に発売される前の商品はどんな分野で1位を獲得できるのか色々考えてみたが、「売上」「評価・人気」は当然獲得できないし、予約のページも存在しないのだから「予約数」の1位も獲得し得ない。おそらく楽天やヤフーは、ある程度の広告料を受け取ればランキングで1位を獲得した「設定」とその証明のロゴの使用を許可しているのだろう。そのランキングも「何を基準に判断されたものなのか一切明かされていない」という点もまた、疑いが深まる要素だ。

 

詰まるところ、楽天やヤフーで1位を獲得した称号なんて、結局金を払えば貰えるモンドセレクションと同程度の冠だという可能性が極めて高い。そういえば確かに、LPで用いられる楽天やヤフーのランキング獲得で「1位」を見ることはあっても、「2位」や「3位」を見たことは1度も無い(見たことある人がいたら教えていただきたい)。売り込むためのパワーとしては当然2位や3位が1位に劣ることは確かだが、不自然極まりない。

 

※画像はイメージです。

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楽天やヤフーのような消費者に影響力のある大企業が「権威」を使って企業からプロモーションのための小銭を受け取り、消費者を欺くような情報提供を後押ししているというのは許される行為なのだろうか?

 

楽天やヤフーがランキングの根拠となる「売上」「口コミ数」「評価」といった要素を公開すれば済む話だが、「公開されていない」「商品は発売前(楽天・ヤフーにページすら無い)」という2つの条件が揃っている以上、少なくとも消費者や第三者の客観的な視点から評価された価値あるランキングの1位でないという疑惑を持たれるのは仕方ないことである。

 

もちろん楽天やヤフー以外にもマーケティング調査を行っている会社が間に挟まれて「○○部門第一位 ※△△社調べ」といった冠が付されている商品も多く見受けられるのだが、とにかく楽天やヤフーといった社会的に影響力のある企業には、こうしたランキングがどんな基準で判定されているのかぐらいのことは、明らかにしてもらいたいところだし、そうする義務があるのではないだろうか。